ファールン

スウェーデンの歴史を彩る都市、ファールン

ファールンは、スウェーデン中部のダーラナ地方に位置する都市で、かつて大銅山を中心に発展しました。1971年に周辺の自治体と合併し、現在のファールン市となっています。人口は約6万人で、都市圏全体では29万人近い人々が暮らしています。

大銅山の歴史

ファールンの歴史は13世紀に遡り、銅の採掘が始まった頃にその起源を持ちます。14世紀には市街地が形成され、市場が開かれるなど、都市としての機能を持ち始めました。17世紀にはスウェーデン最大の都市の一つとして繁栄を極めました。ファールンの銅山は、スウェーデンの経済を支える重要な役割を果たし、その歴史は深く刻まれています。

世界遺産「ファールンの大銅山地域」

ファールンの大銅山地域は、2001年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域には、17世紀から19世紀にかけて建設された鉱山施設や、17世紀に建てられた教会などが残されており、当時の鉱山都市の様子を今に伝えています。銅山は1992年に閉鎖されましたが、その遺産は大切に保存され、博物館として公開されています。

現在のファールン

現在、ファールンはダーラナ大学の所在地として、教育・研究の中心地としての役割も担っています。また、スポーツも盛んで、バンディやフロアボールなどのチームが国内トップリーグで活躍しています。ファールン・シュタディオンでは、スウェーデン・スキーゲームが毎年開催され、過去にはノルディックスキー世界選手権も開催されています。

ファールン赤

ファールンで産出された鉄や銅から抽出される副産物は、「ファールン赤」と呼ばれる顔料として利用されています。この顔料は、スウェーデンの伝統的な木造建築の塗装に用いられ、文化的にも重要な役割を果たしています。

ファールンの見どころ

銅山 (Falu gruva): ファールンの歴史を物語る、世界遺産にも登録された大銅山。
カール・ラーションの家 (Carl Larsson gården): スウェーデンを代表する画家、カール・ラーションが暮らした家。
スキージャンプ台 (Lugnets hoppbacke): スウェーデン・スキーゲームの会場としても知られるスキージャンプ台。

ファールンは、その豊かな歴史と文化、そして美しい自然が調和した魅力的な都市です。スウェーデンを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

世界遺産登録基準

ファールンの大銅山地域が世界遺産に登録されたのは、以下の登録基準を満たしているためです。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(5) ある文化（または複数の文化）を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。

ファールンを舞台とする作品

『ファールンの鉱山』（E・T・A・ホフマン）
『ニルスのふしぎな旅』（セルマ・ラーゲルレーヴ）

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