フィアレス級揚陸艦

フィアレス級強襲艦について

フィアレス級強襲艦（Fearless-class assault ships）は、イギリス海軍が使用していた特別なドック型輸送揚陸艦（LPD）です。この艦級は、実質的にはアメリカ海軍のローリー級を縮小したバージョンとされています。その設計コンセプトには、輸送と揚陸の両方に対応できる能力が求められました。

設計と性能

フィアレス級艦は、蒸気タービン機関を搭載しており、そのボイラーは圧力550 lbf/in²（約39 kgf/cm²）および温度454℃で動作します。この高性能なエンジンにより、艦は迅速な展開が可能でした。艦には最大400名の揚陸部隊を運ぶことができ、短期間であれば700名までの搭載が可能です。

また、この艦は戦車やトラックを収容するために特別に設計された車両甲板を持ち、合計で15両の戦車と27両のトラックを搭載できるスペースを有しています。さらに、上陸用舟艇としてLCVP Mk.2型（最大35名または半トントラック1両搭載可能）を4隻、ウェルドックにはLCM(9)型機動揚陸艇（チーフテン戦車2両搭載可能）を4隻搭載できました。艦尾甲板はヘリコプターの運用に適しており、4〜6機のヘリコプターを運用可能でしたが、ハンガーは設けられていませんでした。

兵装と改修

初期のフィアレス級艦は、諸元表通りの兵装を搭載していましたが、1980年代に入ると装備の更新が行われました。「フィアレス」艦では、艦後方にあったシーキャット発射機を2基撤去し、その代わりにファランクス20mm CIWSを搭載するとともに、GAM-B01 20mm単装機銃も追加されました。また、NAUTIS-L指揮統制システムも導入され、艦の運用能力が向上しました。「イントレピッド」艦については、改修の検討が行われたものの、艦の状態が悪化していたため、別の方向に進むことになりました。

配備と展開

フィアレス級艦は1976年に配置され、その後、国防予算の削減に伴って「フィアレス」は練習艦となり、「イントレピッド」は予備役編入されました。しかし、「イントレピッド」は1979年から1981年にかけて「フィアレス」の近代化改修が行われる際に一時的に復帰しました。その後、再び予備役に戻り、アルゼンチンへの売却も噂されていたものの、フォークランド紛争の影響で緊急に現役復帰を果たすことになりました。

「フィアレス」は1982年4月6日に出撃し、同艦には海兵隊の第3コマンドー旅団が乗艦していました。「イントレピッド」も同様に参加し、海軍の強力な揚陸能力を発揮しました。

まとめ

フィアレス級強襲艦は、その設計と能力において非常に重要な役割を果たした艦級であり、イギリス海軍における揚陸作戦の要として機能しました。特にフォークランド紛争における活躍は、その存在意義を再確認させる出来事となったのです。

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