フィニッシュ・ホールド

フィニッシュ・ホールド

フィニッシュ・ホールドという言葉は、プロレスの試合における決め技を指し、その技が試合の勝敗を左右することから特別な意味を持っています。プロレスラーたちはさまざまな技を駆使して観客を魅了する必要がありますが、フィニッシュ・ホールドはその試合を締めくくる重要な役割を果たすことが多いのです。

フィニッシュ・ホールドの意義

フィニッシュ・ホールドは、レスラーのキャラクター性と深く結びついているため、特定の技がそのレスラーの代名詞となることがあります。そのため、同じ技を使用する場合でも、あえて異なる名称を付けることが一般的です。これは、レスラー自身のブランドを確立するための戦略の一部とも言えます。たとえば、有名なレスラーが使用する技には、そのレスラーの名前やキャッチフレーズが反映されることが多いです。このようにして、個々のフィニッシュ・ホールドは、そのレスラーのアイデンティティを形作る要素ともなり得ます。

ストーリー性とフィニッシュ・ホールド

21世紀に入ってからのプロレスは、受身技術が進化したことにより、フィニッシュ・ホールドが通用しづらくなっています。しかし、WWEなどでは、試合の展開やストーリーの一環としてフィニッシュ・ホールドが多く用いられています。特に、勝敗が決まる瞬間や流れを変える場面では、フィニッシュ・ホールドが重要な役割を果たすことがあるおり、それを使っても勝利できない場合には、逆襲を受けることも珍しくありません。このように、勝負においてフィニッシュ・ホールドの存在は極めて重要です。

用語の使われ方

日本においては、フィニッシュ・ホールドとは固め技以外の技も含めて指されることが一般的ですが、英語圏では「フィニッシュ・ムーブ」と呼ぶことが多いです。また、試合が不利な状況から反撃する際に用いられる技もフィニッシュ・ホールドと呼ばれることがありますが、この場合、用語の使い方に混乱が生じるため、「フェイバリット・ホールド」と呼ぶ傾向が強まっています。

掟破りの行為

プロレスの実況解説者として知られる古舘伊知郎は、過去に藤波辰巳vs長州力戦で藤波が長州のフィニッシュ・ホールドであるサソリ固めを使った際に、それを「掟破りの逆サソリ」と表現しました。このように、相手のフィニッシュ・ホールドを使う行為は、サプライズの一部として喜ばれることが多いですが、必ずしもポジティブな意図から行われているわけではありません。

論争と文化

2019年3月、元女子レスラーの豊田真奈美が、自身のフィニッシュ・ホールドである「ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス」を無断で使用されたことに反発しました。豊田は、先輩の技を引退まで使わないという日本のプロレス文化を尊重しているため、後継者と認めていないレスラーにその技を使われることに違和感を覚えました。この問題は、プロレス界での賛否を呼び起こしました。

同義・類義語

フィニッシュ・ホールドには、多くの同義語や関連語が存在します。たとえば、「フィニッシュ・ムーブ」や「必殺技」、「決め技」などが挙げられます。一方で、フィニッシュ・ホールドと混同されがちな用語として「フェイバリット・ホールド」や「トレードマーク・ホールド」があり、これらはレスラーが特に得意とする技を指します。プロレス用語には、特有の使われ方があり、有名な技や特定のレスラーを明確に示す場合には注意が必要です。

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