フィラデルフィア・インターナショナル・レコード

フィラデルフィア・インターナショナル・レコードについて

フィラデルフィア・インターナショナル・レコード（PIR）は、アメリカ合衆国における著名なレコード・レーベルであり、1971年にギャンブル&ハフによって設立されました。このレーベルは、1970年代のフィリー・ソウルのブームにおいて重要な役割を果たし、数々のヒット曲を生み出しました。

前史

フィラデルフィア・インターナショナル・レコードが誕生するまでの道のりは、1965年にさかのぼります。この年、ギャンブルとハフは独立レーベルであるExcel Recordsを立ち上げました。このレーベルは、さまざまなアーティストとのコラボレーションを通じて、音楽シーンに影響を与えました。1960年代末から1970年代初頭にかけて、彼らはジェリー・バトラーやウィルソン・ピケットなど、多くの著名アーティストに楽曲を提供しました。

Excel Recordsは後にGamble Recordsに改名され、最終的には1972年にPIRの傘下となりました。また、1974年にはTSOP Recordsに名称を変更します。この時期、PIRはディー・ディー・シャープやアーチー・ベル&ザ・ドレルズなど、多くの才能溢れるアーティストを抱えていました。さらに、1970年代にはパティ・ラベルやスタイリスティックスなども在籍し、レーベルの音楽的な幅が広がりました。

歴史

PIRの設立に際して、ギャンブル&ハフとトム・ベルの音楽出版社、Mighty Three/Assorted Musicが共同で関与しました。このレーベルの主要なアーティストには、オージェイズやハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ、ルー・ロウルズ、スリー・ディグリーズ、ビリー・ポールなどが名を連ねています。彼らが生み出した楽曲の中で、特に有名なものには次のようなものがあります。

• - オージェイズの「裏切り者のテーマ」や「ラブ・トレイン」(1972/73)
• - ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツの「二人の絆」や「ザ・ラブ・アイ・ロスト」(1972/3)
• - ビリー・ポールの「Me and Mrs. Jones」(1972)
• - MFSBによる「TSOP (The Sound of Philadelphia)」(1974)は、テレビ番組『ソウル・トレイン』のテーマとしても知られています。

1976年にEMIがPIRの権利を取得するも、CBS/Sonyは1976年以前の音源を継続して販売しました。2007年には、SonyのLegacy Recordingsが全権利を再獲得し、2008年にはPIR/Legacyがボックス・セット『Love Train: The Sound of Philadelphia』を発売しました。

録音スタジオとミュージシャンたち

PIRの多くの音源は、シグマ・サウンド・スタジオで録音されました。このスタジオのエンジニアであるジョー・ターシャが手がけ、多くの著名なスタジオ・ミュージシャンたちがMFSB（Mother Father Sister Brother）として知られるグループで演奏しました。彼らには、ボビー・マーチン、ノーマン・ハリス、アール・ヤング、ロニー・ベイカー、ビンス・モンタナなどが含まれ、特にジャクソンズに対しても影響を与えました。

20枚組ボックスの発売

2014年5月13日、Legacy Recordingsからフィラデルフィア・インターナショナル・レコードの20枚組ボックスが発表され、過去の名曲が集められました。このボックスには、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツやオージェイズ、ビリー・ポールなどのアルバムが収録されており、レーベルの歴史を振り返るには最適なコレクションです。

フィラデルフィア・インターナショナル・レコードは、音楽シーンにおいて忘れられない存在感を持ち続け、多くのアーティストや楽曲に影響を与えてきました。今後もその偉大な歴史は音楽愛好者の間で語り継がれることでしょう。

もう一度検索