フィリップス・コレクション

フィリップス・コレクション

フィリップス・コレクションは、アメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.に位置する美術館で、1921年に開館したアメリカ初の近代美術館としての重要な役割を持っています。この美術館は、画家ダンカン・フィリップスによって設立され、彼の一家が所有する芸術作品を基にしたコレクションを展開しています。

沿革

創設者のダンカン・フィリップスは、鉄鋼業の神話的な人物であるジェームズ・ラフリンの孫であり、家族の芸術への情熱は彼に強く影響を与えました。フィリップス家の悲劇的な歴史の中で、1917年には父、1918年には兄を亡くし、それらの経験を乗り越える形でダンカンと母エリザはフィリップス・メモリアル・アート・ギャラリーを設立しました。このギャラリーは1921年に一般公開され、フィリップスの美術館はその後さらなる発展を遂げました。また、彼は同年に画家マージョリー・アッカーと結婚し、一緒にコレクションを広げていきました。

コレクション

フィリップス・コレクションは、多くの名画を収蔵しており、その中には有名なマネやルノワール、セザンヌなどのヨーロッパの巨匠たちによる作品があります。特に、ルノワールの『舟遊びの昼食』やフィンセント・ファン・ゴッホの『アルルの公園の入口』など、その質の高いコレクションはアメリカ国内外のアート愛好者から高い評価を得ています。さらに、20世紀のアメリカ絵画も充実しており、ジョン・マリンやエドワード・ホッパー、サム・フランシスらの作品も収められています。これらの作品は、アメリカにおける現代美術の流れやスタイルを表現する貴重な資料となっています。

日本における展示

フィリップス・コレクションの影響力は、海外にまで広がっています。2011年には、国立新美術館にて「モダン・アート,アメリカン－珠玉のフィリップス・コレクション－」が開催されました。この展示は、ダンカン・フィリップスが収集した多様な作品を観る貴重な機会として注目を集めました。2018年から2019年にかけては、三菱一号館美術館で「全員巨匠！フィリップス・コレクション展」が行われ、これにより日本におけるフィリップス・コレクションの作品の魅力が再度示されました。

まとめ

フィリップス・コレクションは、ワシントンD.C.における重要な文化的機関として、多くの人々に影響を与えてきました。近代美術の先駆者として、また国際的なアートコミュニティにおいてもその存在感を示し続けています。アートに対する深い理解と情熱を持つダンカン・フィリップスが築いたこの美術館は、今日でも多くの訪問者に新たな発見を提供しています。

もう一度検索