フィリップ・ウッドハウス (初代準男爵)

初代準男爵サー・フィリップ・ウッドハウスの生涯

初代準男爵サー・フィリップ・ウッドハウス（Sir Philip Wodehouse, 1st Baronet、1566年以前 – 1623年10月30日）は、16世紀後半から17世紀初頭のイングランドにおいて、政治家として活躍しました。彼はノーフォーク州の裕福な家系に生まれ、莫大な領地を所有していたと伝えられています。

生い立ちと教育

フィリップ・ウッドハウスは、ロジャー・ウッドハウス（Roger Wodehouse、1541年ごろ – 1588年4月4日埋葬）とメアリー・コーベット（Mary Corbet）の長男として誕生しました。1577年にはケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに入学し、1580年にはリンカーン法曹院で法律を学びました。

政治家としてのキャリア

1586年、ウッドハウスはキャッスル・ライジング選挙区から庶民院議員に選出されました。これは、彼がレストレンジ家の未亡人と結婚したことが、レストレンジ家の支持につながったためと考えられています。しかし、彼は国政に深く関与することはなく、議会での活動記録もほとんど残っていません。また、ノーフォークのジェントリ層の党派争いにおいて、不人気であったサー・アーサー・ヘブニンガムを支持したことが影響し、その後、再び議員に選出されることはありませんでした。ただし、彼は選挙において一定の影響力を保持しており、エリザベス1世の晩年には、親族がアルドバラ選挙区で当選を果たしています。

1588年4月に父親が亡くなると、ウッドハウスは遺産を相続し、1591年ごろからノーフォークの治安判事を務めました。1594年から1595年にかけては、ノーフォーク州長官を務めています。1596年には、英西戦争におけるカディス占領に参戦し、第2代エセックス伯ロバート・デヴァルーによって騎士爵に叙されました。

1611年6月29日、彼は準男爵に叙せられ、1617年5月13日にはノーフォーク首席治安判事に任命されましたが、同年11月までに退任しました。

1623年10月30日、フィリップ・ウッドハウスは生涯を終え、準男爵位は息子のトマスが継承しました。

家族

1580年7月25日、グリセル・レストレンジ（Grissell Lestrange、1635年8月4日没）と結婚し、6男2女をもうけました。

トマス（1585年ごろ – 1658年3月18日） - 第2代準男爵
ロジャー（1586年 – 1634年）
フィリップ（1587年没） - 夭折
エリザベス（1589年 – ?） - 1608年ごろ、ハンフリー・ギボン（Humphrey Guybon）と結婚
ジョン（1594年没） - 夭折
ジョン（1596年 – ?）
マーガレット（1598年 – ?）
マイルズ（Miles、1604年没） - 夭折

ウッドハウス自身はイングランド国教会の信者でしたが、妻のグリセルはカトリック信者でした。イエズス会士ジョン・ジェラードによれば、ウッドハウスはグリセルの重病をきっかけにカトリックに改宗しましたが、後に再び国教会に改宗したとされています。

サー・フィリップ・ウッドハウスは、地方の有力者として、また、国政にもわずかながら関与した人物として、その名を知られています。

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