フィリップ・ジルベール

フィリップ・ジルベール：ロードレース界の偉大なクラシックハンター

フィリップ・ジルベール（Philippe Gilbert）は、1982年7月5日ベルギーのヴェルヴィエ生まれ。ロードレース界で数々の輝かしい実績を残してきた名選手です。特に、アルデンヌ・クラシック（アムステルゴールドレース、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ）の同一年度完全制覇は、彼の卓越した能力を象徴する偉業と言えるでしょう。

クラシックレースでの圧倒的な強さ

ジルベールは、クラシックレースでの実績が際立っています。2週間あまりの間にクラシック、セミクラシック級レースの4連続優勝を2回も達成するなど、その強さは圧倒的です。得意とするのは、アルデンヌ地方特有のアップダウンに富んだコース。急勾配での爆発的なアタックは「分かっていても止められない」と評されるほどで、多くのライバルたちを打ち破ってきました。

また、ジルベールは石畳のレースにも強く、ロンド・ファン・フラーンデレンでは何度も上位入賞を果たし、2017年にはついに優勝。2019年にはパリ〜ルーベも制覇し、その適応力の高さを証明しました。

グランツールでの活躍

クラシックレースでの活躍が目立つジルベールですが、グランツールでもステージ通算10勝以上を挙げています。これは、彼の総合的な能力の高さを物語るものでしょう。ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャなど、各グランツールで勝利を重ね、その存在感を示してきました。

輝かしいキャリア

2003年にプロデビューを果たしたジルベールは、フランセーズ・デ・ジューに所属し、ツール・ド・ラブニールでポイント賞を獲得。その後、数々のチームを渡り歩きながら、常にトップレベルの走りを披露してきました。

2009年には、サイレンス・ロットに移籍。ロンド・ファン・フラーンデレンで3位に入賞し、ジロ・デ・イタリアではグランツール区間初勝利を飾りました。同年10月には、コッパ・サバティーニ、パリ〜ツール、ジロ・デル・ピエモンテ、ジロ・ディ・ロンバルディアを立て続けに制覇するという偉業を達成。わずか14日間でワンデーレース4勝を挙げるという驚異的なパフォーマンスを見せました。

2011年はジルベールにとってキャリアの絶頂期と言えるでしょう。モンテパスキ・ストラーデ・ビアンケを制し、ティレーノ〜アドリアティコでも区間優勝。4月には、ブラバンツ・パイル、アムステルゴールドレース、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュと、クラシックレース4連勝を達成。ツール・ド・フランスでは区間優勝も果たし、マイヨ・ジョーヌも着用しました。

2012年にはBMC・レーシングチームに移籍し、ブエルタ・ア・エスパーニャで2つのステージ優勝。そして、ロードレース世界選手権では見事個人ロードレースで優勝し、世界チャンピオンの称号を手にしました。

2017年にはクイックステップ・フロアーズに移籍し、ロンド・ファン・フラーンデレンで優勝。2019年にはパリ〜ルーベを制するなど、ベテランとなってもその実力は衰えることなく、常にトップレベルで活躍を続けました。

家族

弟のジェローム・ジルベールもロードレース選手であり、叔母のマリー＝ローズ・ガイヤールは1962年の世界選手権自転車競技大会ロードレース女子で優勝しています。

引退

2021年4月19日、2022年シーズンでの引退を発表しました。

プレースタイル

アルデンヌ地方出身ということもあり、アップダウンのあるコースを得意とするパンチャータイプの選手です。爆発的なアタックを武器に、数々の勝利を掴んできました。また、石畳のレースにも強く、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベといったレースでも実績を残しています。

フィリップ・ジルベールは、ロードレース界において、その卓越した才能と実績で多くのファンを魅了してきた偉大な選手です。

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