フィリップ・ベイリー

フィリップ・ベイリーについて

フィリップ・ベイリー（Philip Bailey）は、1951年5月8日にアメリカのコロラド州デンヴァーで誕生した、偉大なR&Bやソウル、ゴスペル、ファンクの歌手です。彼は、その独自のファルセット・ボイスで特に知られており、アース・ウィンド・アンド・ファイアー（EWF）のメンバーとしての活動が今も広く認知されています。また、敬虔なクリスチャンでもあり、音楽と信仰を融合させた表現が特徴的です。

幼少期と音楽の始まり

ベイリーは、父エドワード・アルバーナ・ベイリーと母エリザベス・クロスランドの間に生まれ育ちました。彼の音楽の夢は、少年時代から徐々に芽生えました。イースト・ハイスクール在学中には、アート・ブレイキーやマックス・ローチ、サラ・ヴォーンといった著名なアーティストに憧れを抱きました。その中で、後にEWFのメンバーとなるラリー・ダンと共にソウルとジャズを演奏するユニット「ミスティック・ムーズ」を結成しました。

コロラド大学に進学後の彼は、1969年から1971年の間には地元バンド「フェニックス・ホーンズ」でボーカリストとドラマーとして活動しました。この経験が彼の音楽キャリアの重要な足がかりとなりました。

EWFへの参加

1972年、ベイリーはロサンゼルスに移住し、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダーであるモーリス・ホワイトにスカウトされ、EWFに加入しました。彼はラルフ・ジョンソン、ラリー・ダンと共にツイン・ボーカリストとしての役割を果たし、EWFのサウンドを確立する上で重要な存在となりました。

1990年代後半にモーリスがパーキンソン病を患い、音楽活動を休止する中、ベイリーは新たにEWFの2代目リーダーとしてモーリスの弟ヴァーダイン・ホワイトとラルフ・ジョンソンと共に、バンドを引っ張っていくことになりました。

ソロ活動とコラボレーション

フィリップ・ベイリーはEWFの活動とは別にソリストとしても活躍しています。特に、1984年に発表されたフィル・コリンズとのデュエット「イージー・ラヴァー」は世界的なヒットを記録し、全英1位、全米2位となりました。また、1993年のソロアルバム『トライアンフ』では、グラミー賞最優秀男性ゴスペル・パフォーマンス賞を受賞するなど、彼の音楽的才能は高く評価されています。

スティーヴィー・ワンダーやホール＆オーツとも交流があり、さまざまなアーティストとのコラボレーションを通して彼の音楽の幅を広げています。

プライベートライフ

人生において、フィリップ・ベイリーは2度の結婚歴があります。最初の妻は同業のジャネット・ハッチソンであり、その後EWFのバック・ボーカリストであるクリスタル・ベイリーと結婚しましたが、いずれの結婚も離婚に至りました。彼との間には7人の子供が生まれ、特に息子のフィリップ・ベイリー・ジュニア（ドロン）はEWFのメンバーとして活躍中です。また、娘のピリ・ベイリーも音楽業界で活動しています。現在では、シンガー[[ソングライター]]のヴァレリー・デイヴィスと3度目の結婚を果たしました。

音楽キャリアの成果

フィリップ・ベイリーの音楽キャリアには多くの成果があります。彼のスタジオアルバムには、1983年の『アナザ・フェイス』や1984年の『チャイニーズ・ウォール』、1986年の『トライアンフ』など多くの作品があります。これらのアルバムは、彼の幅広い音楽性を証明する重要な記録となっています。

また、ベストアルバムとしての『ザ・ベスト・オヴ・フィリップ・ベイリー』もリリースされており、彼の音楽の集大成を楽しむことができます。

フィリップ・ベイリーは、その才能と人柄で今後も多くのファンに愛され続けるでしょう。

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