モーリス・ホワイト

モーリス・ホワイト: アース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダー

モーリス・ホワイト（1941年12月19日 - 2016年2月4日）は、アメリカのメンフィス出身の音楽家であり、アース・ウィンド・アンド・ファイアー（EWF）の創設者として知られています。彼の音楽キャリアは、多様な音楽スタイルと独自のビジョンを持つバンドを通して、世界中のリスナーに影響を与えました。

幼少期と音楽の始まり

モーリスは、父ヴァーダイン・ホワイト・シニアと母エドナ・パーカーの長男として生まれました。祖父はホンキートンクのピアニストであり、音楽的な環境で育ちました。1953年にドラムを始め、シカゴのブッカーT.ワシントン・ハイスクールでは、多くの仲間とともにバンドを組み、演奏を重ねました。この時期には、後に有名なミュージシャンとなる友人たちとのつながりも形成されました。

初期のキャリア

高校を卒業後、モーリスはシカゴの2年制音楽院で学びます。その後、ベティ・エヴェレットのバンドに参加し、チェス・レコードのスタジオで専属ドラマーとしての経験を積みました。1966年には、ピアニストのラムゼイ・ルイスのバンドに加入し、カリンバを演奏し始めます。

アース・ウィンド・アンド・ファイアーの結成

1969年、モーリスは自身のグループ『ソルティ・ペパーズ』を立ち上げ、キャピトル・レコードからシングルをリリースします。しかし、このバンドは商業的な成功には恵まれませんでした。1970年、占星術に影響を受けて、バンド名を「Earth, Wind & Fire」に改名し、ロサンゼルスに移転しました。彼は弟のヴァーダインや後のメンバーを集め、バンドは次第に成長していきます。

1972年にコロムビア・レコードと契約すると、フィリップ・ベイリーやラルフ・ジョンソンなどが加入し、EWFはその後特異なサウンドを確立します。この時期、モーリスは自身のプロデュース力を生かし、多くのヒット曲を生み出します。特に『That's the Way of the World』では、サウンドトラックとしても評価されます。

音楽の進化とソロ活動

彼の音楽活動は多岐にわたりました。1976年には自己プロダクションのカリンバ・エンタテインメントを設立し、他のアーティストのプロデュースも手掛けます。1983年には電子音楽にシフトし、打ち込みの音を取り入れた『Electric Universe』を発表。これにより、グループは一時的に活動を休止し、メンバーはソロ活動に専念します。1985年には、モーリスの唯一のソロアルバム『Maurice White』がリリースされ、ヒット曲「I Need You」を生み出します。

健康問題と引退

モーリスは1997年に神経障害と診断され、その後パーキンソン病であることが明らかになりました。一方で、EWFはフィリップ・ベイリーが中心となり活動を継続します。2004年には日本での公演を行い、モーリスにとっての最後のパフォーマンスとなりました。彼は音楽業界への多大な貢献により、名誉学位も受けています。

最期と影響

2016年2月3日に74歳で亡くなったモーリス・ホワイトの死は、スティーヴィー・ワンダーやバラク・オバマといった多くの人々によって悲しまれました。彼の音楽は多世代にわたり愛され続け、特に日本ではDREAMS COME TRUEの中村正人が崇拝していることで知られています。彼の音楽的遺産は、今もなお多くのアーティストに影響を与えています。モーリス・ホワイトの功績は、永遠に音楽史に刻まれています。

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