フィリピン・デイリー・インクワイアラー

フィリピン・デイリー・インクワイアラーについて

フィリピン・デイリー・インクワイアラー（Philippine Daily Inquirer、略称PDI）は、1985年創刊のフィリピンの英字新聞であり、『インクワイアラー』としても知られ、国内で最も多くの賞を受賞しているブロードシート版の新聞です。その集計によれば、この新聞は5400万人以上にリーチしているインクワイアラー・グループに属します。

歴史的背景

1985年12月9日、フィリピンの政治的な変革の時期に、ユージニア・D・アポストルやマックス・ソリベンらによって創刊されました。この新聞は、フィリピンにおける最初の民間新聞の一つで、特にかつての独裁政権であるマルコス政権の末期に重要な役割を果たしました。創刊当初は週刊の『フィリピン・インクワイアラー』の後継として位置づけられ、特に1983年のニノイ・アキノ暗殺事件に関する報道からその重要性が増しました。

ベルトラン時代（1985 - 1989）

創刊時、新聞は100万フィリピン・ペソの初期予算でスタートし、読みやすい記事が好評を博し、最初の発行部数は1日あたり30,000部でした。この時期に、コラソン・アキノの運動やエドゥサ革命の報道を通じて、新聞の認知度と影響力は飛躍的に高まりました。

1986年には発行部数が最大の時で50万部を記録しましたが、創設メンバー間の不一致から一部メンバーが離脱し、新たに『ザ・フィリピン・スター』を創刊するに至りました。これにより、インクワイアラーは新たな本社へと移転を余儀なくされました。

パスクアル時代（1989 - 1991）

その後任にフィデリコ・D・パスクアルが編集長に就任し、1990年には発行部数で『マニラ・ブレティン』を上回るまでに成長しました。1990年の大地震による本社への影響もあり、最終的にはマラテ地区に新しいオフィスを設置しました。

ヒメネス＝マグサノク時代（1991 - 2015）

1991年には初の女性編集長としてレティ・ヒメネス・マグサノクが就任し、彼女が在職中の1995年に本社がマカティへ移転しました。彼女の在職中、インクワイアラーは広告ボイコットに直面したこともありましたが、依然としてフィリピン人に信頼される情報源としての地位を維持しました。

読者と評判

今日、インクワイアラーは270万人以上の読者に支えられ、50パーセントを超える市場占有率を誇ります。ロイター研究所の調査によれば、フィリピンでは最も信頼されている新聞の一つとされ、2023年にはその信頼度が68パーセントに達しました。オンラインでのアクセスも増え、36パーセントの読者がそのオンライン版を利用しています。しかし、批判的な意見も存在し、いくつかのメディアから「記録の新聞」として言及されることもあります。

現在も、インクワイアラーはフィリピンの情報源としての役割を果たしており、新聞の提供する内容は政治経済から文化まで多岐にわたります。

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