フィリピン共産党 (CPP)

フィリピン共産党（CPP）について

フィリピン共産党（CPP）は、1968年に設立されたフィリピンの共産党であり、主に武装革命を通じてフィリピン政府の転覆を目指す地下政治組織です。本党は第二次世界大戦前に結成されたフィリピン共産党（PKP）とは異なり、独自の理念と組織構造を持っています。特に、CPPの設立にあたっては、中華人民共和国の共産主義理論を強く影響を受けたとされています。

歴史背景

フィリピン共産党は1968年12月26日に結党され、その日付は毛沢東の75歳の誕生日に重なります。設立に際して、元フィリピン共産党（PKP）の中央委員会メンバーなどが関与しており、初代議長にはアマド・ゲレロ（本名：ホセ・マリア・シソン）が就任しました。彼らは、過去のフィリピン共産党の精神を引き継ぎながら、新しい党の方向性を模索しました。

理念と思想

CPPは「マルクス・レーニン・毛沢東主義」と称される思想に基づいて運営されています。この思想は、カール・マルクスやフリードリヒ・エンゲルス、ウラジーミル・レーニン、ヨシフ・スターリン、毛沢東などの理論を基盤としており、フィリピンの革命において彼らの思想を財産とみなしています。CPPは、労働者階級の組織化や革命の推進において理論と実践の両面を進化させることを目指しています。

組織と活動

この党は、武装組織である新人民軍（NPA）と民族民主戦線（NDF）を指導し、フィリピン政府の転覆を目指して活動しています。特にNPAは、フィリピン全土での武装闘争を展開し、地方の農村地域を中心に支持基盤を固めています。

ただし、フィリピン政府はCPPとその武装組織であるNPAをテロリズムを行う組織と見なし、国際的にもアメリカ合衆国を始めとする国々により「テロ組織」に指定されています。このため、CPPは地下に潜り、その存在と活動を厳重に秘匿しながら闘争を続けています。

現在の状況

CPPの活動は依然として活発で、政府との対立が続いています。近年では、国内外の人権団体からもその活動に対する懸念が寄せられています。また、フィリピン国内における社会経済的な不平等や貧困の問題も、CPPの支持基盤を支える要因とされています。反政府の姿勢を貫くCPPは、今後もフィリピンの政治シーンにおいて重要な役割を果たすと考えられています。

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