フィリピン暫定政府 (1986年-1987年)

フィリピン共和国の歴史と暫定政府の形成

フィリピン共和国（Republika ng Pilipinas）は、東南アジアに位置し、その歴史は数多くの政治的変遷を経てきました。特に1986年のエドゥサ革命は、この国にとって重要な出来事の一つです。この革命により、フェルディナンド・マルコス大統領が追放され、コラソン・アキノが新たに大統領に就任しました。

エドゥサ革命と暫定政府

1986年のフィリピン大統領選挙は、賛否が分かれる結果をもたらしましたが、その後発生したエドゥサ革命は、国の民主化の象徴として広く認識されています。マルコス政権は、特に戒厳令下での独裁的な統治で知られ、その結果として国民の不満が高まりました。アキノ夫人自身が独裁政権に対抗するために果敢に立ち上がったことも、この革命の一因でありました。

革命後、暫定政府が1986年3月に設立されました。この政府は、アキノが推進する「自由憲法」のもとで運営され、独裁的体制の残滓を一掃することを目指しました。しかし、彼女には強大な個人的権力が与えられ、反対派からはその権力が独裁的であるとの批判も寄せられました。アキノ政権は、国民議会バタサンパンバンサを廃止し、立法権の再編成を求めることで、政策を推進していきました。

人権と政府の透明性

新政府の設立に伴い、アキノは人権委員会を設立し、前政権下での人権侵害や汚職を調査・追跡することを目的としました。この取り組みは、マルコス政権によって不正に取得された資産を取り戻すことにも注力していました。また、検閲制度の緩和も行われ、メディアに自由が与えられました。

新しい憲法の制定

1986年4月には、1986年憲法委員会（ConCom）が設立され、新憲法の草案作成が始まりました。この委員会は、アキノが任命した45名のメンバーで構成され、様々な立場やバックグラウンドが考慮されました。共産主義者は含まれなかったものの、マルコス政権下の権力者たちからの脱却が望まれました。

草案は1986年10月12日に可決され、1987年2月2日に行われた国民投票で76.30％の支持を得て承認されました。同日、1987年フィリピン憲法が正式に施行され、国の新たな未来への第一歩が踏み出されました。

まとめ

このように、フィリピン共和国はエドゥサ革命を経て新しい体制を確立しました。アキノ政権は従来の政権からの脱却を目指し、国民の自由と権利を回復するための重要な歩みを始めました。今日のフィリピンはこの歴史的背景を持ちながら、未来に向かって進んでいます。

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