フィルギア (装甲巡洋艦)

装甲巡洋艦フィルギアの概要

フィルギア（スウェーデン語: HM Pansarkryssare Fylgia）は、スウェーデン海軍の装甲巡洋艦であり、その艦体の設計と建造は自国の沿岸警備能力向上を目的としていました。1910年4月14日にストックホルム造船所に発注され、その後竣工しました。この艦はスウェーデン海軍において初めての装甲を装備した巡洋艦であり、その防御力を活かして、魚雷艇などを撃退する際には戦隊旗艦として火力支援を行う役割も担っていました。

艦形

フィルギアの艦形は、高い乾舷を持つ平甲板型であり、外洋でも優れた凌波性を発揮しました。艦首には鋭い衝角が付いており、ボフォース社製の「1903年型 15.2cm速射砲」が連装砲塔として配置されています。艦橋は指揮所として機能し、左右には船橋があり、後方には見張り所が設けられています。また、3本の煙突が立ち並び、周囲には煙管上の通風筒が配置されています。艦載艇のためのスペースも確保され、クレーンやボートダビッドが設置されています。

艦の設計は1930年代の近代化改装により変化し、艦首形状がクリッパー型に整えられ、艦橋のサイズが拡大されました。また、換装された機関や煙突の変更などもあり、艦の外観は大きく変わりました。

武装

フィルギアは主砲としてボフォース社の「1903年型 15.2cm（50口径）速射砲」を採用しており、その性能は最大仰角で13,716mまで届く能力を持っています。発射速度は毎分3～4発で、砲身の旋回や砲弾の装填は電動で行われます。近代化改装後は、主砲が刷新されると同時に対空兵装も強化され、「ボフォース Model 1928 7.5cm（60口径）高角砲」が装備され、他にも様々な対空火器や対艦用の魚雷発射管が搭載されました。

防御

フィルギアは、同時代の装甲巡洋艦と同様に水線部に優れた舷側装甲を備えています。この装甲は最も厚い部分で100mm、艦首と艦尾の端部は35mmまで薄くなっています。また、甲板防御は25mmから35mmの装甲が施されており、傾斜部には50mmの装甲が設けられています。これにより、艦は戦闘時において非常に強固な防御力を誇っていました。

関連項目と参考文献

フィルギアに関する詳細な情報は、スウェーデン海軍艦艇一覧や、関連書籍で確認できます。また、ウィキメディア・コモンズには本艦に関する豊富な資料が揃っています。

このように、フィルギアはその設計思想と近代化改装を通じて、スウェーデン海軍における重要な役割を果たした艦船であると言えるでしょう。

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