フイヤン派

フイヤン派（Feuillants）

フイヤン派は、フランス革命期に活躍した政治グループであり、その名称は本拠地であるフイヤン修道院に由来します。この派閥は、1789年9月から1790年末までの間、議会とジャコバン・クラブを支配した三頭派として始まり、ラファイエット派と合流した後にジャコバン・クラブから分派しました。その背後には、自由主義貴族や高いブルジョワ層の人々がいました。また、彼らは1791年に成立した立法議会において右翼として存在し、ジロンド派と対立していました。

フイヤン派の成立と政治的立場

フイヤン派は、当初はジャコバン派の一部として活動し、革命の主要な推進力として貢献していました。しかし、ヴァレンヌ事件の発生後、共和主義者たちの力量が強まる中で、フイヤン派は1791年7月にジャコバン・クラブから離脱することを決定しました。この脱退の背景には、当時の政治情勢における彼らの立憲君主派としてのスタンスが影響していました。フイヤン派は人権宣言の精神を尊重しつつも、王権の継続的な尊重を求めており、穏健な立場を取っていました。

主要なメンバーには、ラファイエットやバルナーヴ、シエイエス、バイイらが含まれており、革命の初期に対立していた人々が手を組んでいたのも特徴的でした。1791年10月に成立した立法議会において、フイヤン派は264名の議員を擁し、共和制を支持する左派勢力であるジャコバン派と対立していました。

憲法維持と戦争への関与

フイヤン派は、憲法制定国民議会で作成された立憲君主制を維持することを主張し、革命の安定に寄与することに努めました。しかし、シャン・ド・マルスの虐殺によって支持は低下し、困難な状況に直面しました。さらに、ピルニッツ宣言や亡命貴族の動きにより、フランスは外的な戦争に巻き込まれました。

フイヤン派は、ジロンド派と連携しつつも、異なる視点から戦争を推進しました。彼らは立憲君主制の確立を目指しており、早期の勝利をもって政権を安定させ、その後に軍隊を用いて革命派を抑え込もうとしていました。しかし、ラファイエットやリュクネル元帥が指揮したフランス軍は資源が不足し、連戦連敗に陥りました。

衰退とその後の運命

フイヤン派は立法議会内で1791年12月9日から責任内閣を運営しましたが、1792年3月には外務大臣が告発され、内閣は解体されました。その後、王政の廃止と共和政の宣言がなされる中で、フイヤン派は影響力を失い、多くの議員が逮捕されたり亡命を余儀なくされたりしました。

1795年に総裁政府が成立すると、元フイヤン派の議員たちが帰国し存在感を示しましたが、彼らはもはや「フイヤン派」とは呼ばれず、「立憲君主派」として新たに名を付けられるようになりました。彼らは帝政期や復古王政においても活動を続けました。

参考文献

• - マチエ 著、ねづまさし・市原豊太 訳『フランス大革命 上』岩波書店
• - Dendena, Francesco. "A new look at Feuillantism: the triumvirate and the movement for war in 1791," French History
• - Furet, Francois, and Mona Ozouf, eds. A Critical Dictionary of the French Revolution

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