ブエア

ブエア：カメルーン南西部の中心都市

ブエアは、カメルーンの南西州に位置する州都であり、同国における英語圏文化の中心地としての役割を担っています。また、分離独立を主張するアンバゾニア（南カメルーン連邦共和国）が、その首都として宣言している都市でもあります。2012年の人口は約11万9千人です。

地理

ブエアは、カメルーン山の東斜面、標高約870mの地点に位置しています。標高が高いことから比較的過ごしやすい気候であり、ヨーロッパ人入植者にとって開発拠点となりました。豊かな自然に恵まれ、農業に適した土地が広がっています。

経済

ブエアの主要な産業は、茶の栽培と加工です。肥沃な土地と気候が茶の栽培に適しており、地域経済を支える重要な役割を果たしています。

歴史

ブエアの地には、17世紀から18世紀にかけてバクウェリ族が定住し、集落を形成していました。カメルーン山の斜面麓の土地が農業に適していると考えられていたためです。その後、ドイツがこの地の植民地化に乗り出し、プランテーション農業を推進しました。

1891年、ドイツ軍はバクウェリ族の住むブエアを攻撃しましたが、バクウェリ族の抵抗にあい失敗に終わりました。しかし、1894年に再び侵攻し、ブエアを占領しました。1901年には、ドイツ領カメルーンの首都となりました。これは、ブエアが地理的に優れており、ヨーロッパ人にとって過ごしやすい気候であったことが理由として挙げられます。

第一次世界大戦後、1919年にはイギリス領カメルーンに属することとなりました。1949年にカメルーン植民地が南北に分割されると、イギリス領南カメルーンの首都となります。

1961年、住民投票によりイギリス領南カメルーンがカメルーンに併合され、ブエアもカメルーン領となりました。しかし、2017年には分離独立を主張するアンバゾニア連邦共和国がブエアを首都と宣言し、現在に至るまで紛争が続いています。

2018年には、アンバゾニアの分離独立派武装勢力がブエアに侵攻し、カメルーン軍との間で激しい衝突が発生しました。この紛争は、多くの住民に避難を余儀なくさせ、ブエアの社会経済に深刻な影響を与えています。

このように、ブエアは豊かな自然と資源に恵まれた土地でありながら、植民地時代から続く複雑な歴史的背景を抱えています。近年では、分離独立運動を巡る紛争が頻発しており、その動向が注目されています。

関連項目

* カメルーンの都市の一覧

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