フェアグラウンズ競馬場

フェアグラウンズ競馬場：アメリカ競馬の歴史を刻む名門

ルイジアナ州ニューオーリンズに位置するフェアグラウンズ競馬場は、アメリカでも屈指の歴史を誇るサラブレッド競馬場です。1838年の開設以来、幾多の困難を乗り越えながら、現在も盛況を続けるその歴史と魅力を紐解いていきましょう。

黎明期：ルイジアナ競馬場の誕生

フェアグラウンズ競馬場の歴史は、1838年4月10日に遡ります。当時「ルイジアナ競馬場」と呼ばれたこの競馬場は、バーナード・デ・マリニー、ジュリアス・C・ブランチらによって創設されました。最初の開催では、1000ドルの賞金がかけられた「ザ・クレオールパース」をはじめ、複数の競走が行われ、盛況を博しました。競走への出走馬には、厳格な条件が設けられており、馬齢や性別による斤量規定が定められていました。

1839年には、開催期間が5日間に拡大。賞金総額も増加し、より多くの競走が実施されるようになりました。これらの初期の開催は、後のフェアグラウンズ競馬場の隆盛の礎を築いたと言えるでしょう。

幾多の苦難と復活：閉鎖と再建

その後、フェアグラウンズ競馬場は「ユニオン競馬場」と改称されたのち、競合競馬場の台頭や閉鎖を経験しました。しかし、競馬への熱意は消えることなく、幾度となく復活を遂げます。「クレオール競馬場」を経て現在の名称となり、南北戦争中も競馬開催を継続。メテリー競馬場との競争を繰り広げながらも、ルイジアナジョッキークラブの後援のもと、競馬開催を再開させました。

20世紀に入ると、火災や競馬禁止令、土地売却といった危機に見舞われますが、関係者らの努力によって危機を乗り越え、運営を継続しました。1981年には芝コースが新設され、施設の充実も図られました。1990年にはクランツ家に売却されたのち、2004年にはチャーチルダウンズ社が買収し、現代に至っています。1993年のグランドスタンド火災による再建やハリケーン・カトリーナによる被害からの復興など、数々の困難を克服してきた歴史は、フェアグラウンズの不屈の精神を表しています。

コースと主要競走

フェアグラウンズ競馬場は、左回りのダートコースと芝コースを備えています。ダートコースは1マイル、芝コースは約7ハロンの周長です。また、内馬場には名種牡馬パンザレタとケンタッキーダービー優勝馬ブラックゴールドの遺骸が埋葬されており、競馬の歴史を感じさせる場所となっています。

毎年、数多くの競走が開催されており、中でもグレード競走は競馬ファンにとって大きな注目を集めます。フェアグラウンズオークスやルイジアナダービーなど、伝統と格式ある競走が数多く行われています。

競馬場を超えた多様な魅力

フェアグラウンズ競馬場は、競馬場としての機能にとどまりません。毎年開催されるニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルの会場としても知られており、地域文化に貢献しています。また、旧実況放送室を改装したスロットマシン施設の収益は、競走の賞金向上に充てられるなど、競馬場運営の持続可能性にも配慮した取り組みが行われています。

まとめ

フェアグラウンズ競馬場は、180年以上の歴史を持つ、アメリカを代表する競馬場のひとつです。困難を乗り越え、発展を続けてきたその歴史と、競馬場としての魅力、そして地域社会への貢献は、多くの人々を魅了し続けています。これからも、競馬ファンにとって特別な場所であり続けることでしょう。

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