フェデリコ・ザンドメーネギ

フェデリコ・ザンドメーネギ：イタリア印象派の異才

フェデリコ・ザンドメーネギ（Federico Zandomeneghi, 1841年6月2日 - 1917年12月31日）は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したイタリアの印象派画家です。彼は、伝統的な美術教育を受けながらも、同時代の芸術動向に敏感に反応し、独自の表現を追求しました。

生い立ちと初期の活動

ザンドメーネギは、当時オーストリア領だったヴェネツィアで生まれました。彼の家系は芸術家肌であり、祖父のルイージ・ザンドメーネギ、父のピエトロ・ザンドメーネギはともに彫刻家でした。しかし、フェデリコは彫刻よりも絵画に魅力を感じ、1856年にヴェネツィア美術アカデミーに入学。その後、ミラノの美術学校でも学びました。1859年には、オーストリア軍への徴兵を逃れるためにヴェネツィアを脱出し、翌年にはイタリア独立運動に参加しようとして収監されるなど、波乱に満ちた青年時代を送りました。

1862年、ザンドメーネギはフィレンツェに移り住み、5年間滞在しました。この地で、彼はフランスのバルビゾン派の影響を受けたトスカーナの画家たち、いわゆる「マッキア派」の画家たちと交流を深めます。テレマコ・シニョリーニ、ジョヴァンニ・ファットーリ、ジュゼッペ・アッバーティらとの交流を通して、彼は戸外での写生に積極的に取り組みました。

パリでの活動と印象派との出会い

1866年にヴェネツィアに戻った後、1871年にはグリエルモ・チアルディ、アレッサンドロ・ゼッツォスとともに、画家ポンペオ・モルメンティからヴェネツィアの有望な若手画家として評価を受けました。1872年にはローマに旅し、代表作の一つを制作しました。そして1874年、ザンドメーネギはパリへと拠点を移し、以後、その生涯の大部分をパリで過ごすことになります。

パリでは、印象派の画家たちと親交を深め、1879年の第4回印象派展から、以降の印象派展に নিয়মিত的に参加しました。特に、エドガー・ドガとは親しい友人となり、彼と同じように人物画を得意としました。ザンドメーネギが描く女性像には、メアリー・カサットやピエール＝オーギュスト・ルノワールの影響が見られます。生活費を稼ぐために雑誌の挿絵の仕事もこなしましたが、1890年代にはパステル画で人気を博し、アメリカの画商によってアメリカでの人気が高まったことで、画家として経済的な成功を収めました。

作品の特徴と評価

ザンドメーネギの作品は、印象派の技法を用いながらも、イタリア的な明るさと色彩感覚が特徴です。彼は、人物の内面を捉えることに長けており、特に女性の優雅さや美しさを表現することに才能を発揮しました。彼の作品は、現在でも世界中の美術館で鑑賞することができ、その芸術性は高く評価されています。

ザンドメーネギは、印象派という大きな潮流の中で、独自の個性を発揮した画家として、美術史にその名を刻んでいます。

代表作

「散歩道」
「赤い傘」
「庭のテーブル」
「二人の女性」
「読書する女性」

参考文献

Broude, Norma (1987). The Macchiaioli: Italian Painters of the Nineteenth Century. New Haven and London: Yale University Press. ISBN 0-300-03547-0
Steingräber, Erich; Matteucci, Giuliano (1984). The Macchiaioli: tuscan painters of the sunlight*. New York: Stair Sainty Matthiesen Gallery.

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