フェデレーション・タワー

フェデレーション・タワー

フェデレーション・タワー（ロシア語: Башня «Федерация»）は、ロシアの首都モスクワに位置する超高層ビルで、モスクワ・シティの構想に基づいて建設されたツインタワーです。特に東棟は374メートルの高さを持ち、完成当初はヨーロッパやロシアにおいて最も高いビルとなりました。現在は、ロシアのラフタ・センターによりその座を譲っていますが、依然として注目される建築物です。

建設の経緯

このビルの設計はドイツの企業、Nps Tchoban Voss GbR社が担当し、実際の建設はミラックス・コンストラクション社によって行われました。ミラックスグループが所有権を持っているこのタワーは、東棟を中国建築工程総公司が、西棟をトルコのアント・ヤピ社がそれぞれ建設しました。更に、イタリアのブシ・インピアンティ社が機械、電気、配管の設計を手掛け、アメリカのファサードエンジニア、ジャン＝ピエール・コッハーの指導のもと、ガラスのカーテンウォールが設計されました。

デザインと構成

フェデレーション・タワーは二つの主な塔から成り立っています。東側のヴォストーク塔（タワーA）は93階建てで、その高さは374メートルに達します。一方で、西側のザパト塔（タワーB）は62階で、242.4メートルの高さを持ち、2008年に完了しました。また両塔の間には、高さ506メートルを超える尖塔（タワーC）の建設が計画されていましたが、2014年にプロジェクトは中止され、その一部は解体されました。

尖塔内部には時速65キロで動くエレベーターが設けられており、利用者は360度のパノラマビューを楽しむことができるように設計されていました。また、両塔を結ぶ連絡橋にはレストランやカフェなどの商業スペースが用意される予定でしたが、こちらも計画は途中で頓挫しました。

投資とコスト

このプロジェクトにはロシアのVTB銀行が2億5000万ドルを投資し、特に33階分のオフィススペースを購入しました。全体の建設費用は約5億3000万ドルと見積もられています。ミラックスグループの社長、セルゲイ・ポロンスキーは、自身のブログで西塔の時計台を「世界一高い場所にある時計」としてギネス・ワールド・レコーズに申請したとも述べています。

建設中のトラブル

建設中の2012年4月2日、東棟の66階と67階で火災が発生し、約300平方メートルが焼失する事故がありました。廃材や防水シートなどに燃え移り、ヘリコプターが駆けつける消火作業が行われ、約4時間後に火は消し止められましたが、幸いにも人的被害はありませんでした。また、2007年9月にはフリー・クライミングの愛好者であるアラン・ロベールがこのビルに挑戦し、成功を収めました。

まとめ

フェデレーション・タワーはその独特なデザインと壮大な高さから、モスクワのランドマークとして知られています。モスクワ・シティの一部として、ビジネスや観光の中心地であるこのタワーは、今後の発展が期待される重要な建築物です。

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