フェラーズ伯爵

フェラーズ伯爵の歴史：栄光と悲劇、そして現代へ

フェラーズ伯爵は、イギリスの伯爵位であり、グレートブリテン貴族の伯爵位の中でも最も古いもののひとつです。この栄誉ある称号は、1711年、ロバート・シャーリーによって初めて授けられ、以来、シャーリー家によって代々受け継がれてきました。シャーリー家はノーサンプトンシャーに古くから根付く名家で、その歴史は16世紀前半までさかのぼることができます。

シャーリー家の歴史は、初代准男爵サー・ジョージ・シャーリー（1559-1622年）に始まります。彼は1611年、准男爵位を授けられました。その後、代々准男爵位は順調に継承されていましたが、4代准男爵ロバートはクロムウェルの治世下、ロンドン塔に投獄され、1656年に獄死するという悲劇に見舞われます。

その後、複雑な継承を経て、サー・ロバート・シャーリーが7代准男爵位を継承し、さらに、古いイングランド貴族爵位であるチャートリーのフェラーズ男爵位を継承、13代男爵となりました。彼は主馬頭やスタフォードシャー州統監を歴任し、1711年、遂にフェラーズ伯爵に叙せられます。同時に、スタフォード州タンワースにおけるタンワース子爵位も授けられました。

初代伯爵の死後、男爵位は父方のコンプトン家に渡りましたが、伯爵位と子爵位は次男が継承しました。その後も順調に伯爵位は継承されてきましたが、4代伯ローレンス・シャーリーが執事を射殺するという衝撃的な事件を起こします。彼は殺人罪で起訴され、絞首刑に処せられ、絞首刑に処された最後の英国貴族として歴史に名を残しました。

5代伯ワシントン・シャーリーはイギリス海軍提督を務め、熱心なアマチュア天文学者としても知られていました。しかし、彼に子がいなかったため、弟のロバートが6代伯を継承しました。その後、10代伯セウォリス・シャーリーが嗣子なく没したことで、6代伯の系統は途絶え、先代の兄弟の末弟の子孫にあたるウォルター・シャーリーが11代伯を継承しました。

13代伯ロバート・シャーリーは保守党の政治家として活動し、1999年の貴族院法制定後も、世襲貴族として貴族院議員の座を保持し続けました。シャーリー家の邸宅はノーフォーク州ディッチンガム近郊のディッチンガム・ホールです。

現在、フェラーズ伯爵位は14代伯ロバート・ウィリアム・サズワロ・シャーリーが継承しています。彼は伯爵位、子爵位、そして准男爵位を有する、由緒あるシャーリー家の現当主です。彼の法定推定相続人は、息子のタンワース子爵ウィリアム・ロバート・チャールズ・シャーリーです。

フェラーズ伯爵の歴史は、栄光と悲劇、そして政治的活動など、様々な出来事が複雑に絡み合った、興味深い物語です。その歴史は、イギリス貴族社会の変遷を理解する上で重要な一端を担っており、現代に至るまで、シャーリー家によって大切に受け継がれています。

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