フェラーリ・599XX

フェラーリ599XX：サーキットの王者

フェラーリ599XXは、2009年に発表されたサーキット走行専用のスーパーカーです。ベースモデルである599GTBフィオラノを徹底的に改良し、公道走行は一切不可能な、レーストラックのみを舞台とする究極の1台となっています。フェラーリが培ってきた技術を惜しみなく投入し、技術実験車の役割も担う、まさに夢のマシンと言えるでしょう。

599XXプログラムと限定公開

599XXは、「599XXプログラム」専用に開発されました。このプログラムに参加できるのは、厳選されたフェラーリオーナーのみで、FXXオーナーも含まれています。2009年のジュネーブショーで発表後、日本では富士スピードウェイで限定公開されました。オーナーは、フェラーリのコルセ・クリエンティ部門によるフルサポートを受け、車両パフォーマンスをリアルタイムで表示するデータロガーを通して、マシンの挙動を詳細に分析することができました。2010年からプログラムが本格的にスタートし、オーナーたちは高度な技術サポートを受けながら、599XXの限界に挑戦し続けました。

599XX EVO：さらなる進化

2011年には、599XXの進化版である「599XX EVO」が発表されました。空力性能、排気系を中心に改良が加えられ、電動可変式リヤウイングなど、数々のエアロデバイスが追加されました。既存モデルへのレトロフィットと新規生産の両方が行われたため、より多くのオーナーが進化した599XXを体験することが可能になりました。2012年には鈴鹿サーキットで世界初となる公開走行が行われ、その圧倒的なパフォーマンスを世界に示しました。

驚異のテクノロジーと性能

599XXは、軽量化と高剛性を両立したアルミニウム製スペースフレームに、CFRP（カーボンファイバー強化プラスチック）を組み合わせたボディを持ちます。F1マシンを思わせるカナードや、空気を効率的に排出するエアアウトレットなど、空力性能を極限まで追求したデザインが特徴です。

特筆すべきは、ACTIFLOWシステムです。これは、アンダーボディを通過する空気を2つのファンとテールライト部、ディフューザーから排出することで、走行状況に関わらず最適なダウンフォースを発生させる画期的なシステムです。599XXが世界で初めて搭載したこのシステムは、その高い性能に大きく貢献しています。

5,999ccの65度V型12気筒DOHCエンジンは、700PS/9,000rpmという驚異的な高出力を発揮します。改良されたF1スーパーファスト・トランスミッションは、60ミリ秒という驚異的な速さでギアチェンジを可能にします。ミシュラン製のレーシングスリックタイヤ、CCM（カーボン・セラミック・ディスク）ブレーキ、そしてカーボン製のルーフやダッシュボードなど、あらゆるパーツに、最先端の技術と素材が惜しみなく投入されています。

圧倒的なラップタイム

599XXは、フェラーリのテストコースであるフィオラノサーキットで1分17秒という驚異的なラップタイムを記録しました。これは、先行モデルであるFXXよりも1秒速いタイムであり、その圧倒的な性能を証明しています。ニュルブルクリンクでも6分58秒16という記録を達成しました。

まとめ

フェラーリ599XXは、サーキット走行に特化した究極のスーパーカーです。その卓越した技術、圧倒的な性能、そして限定生産という希少性から、まさに伝説のマシンとして語り継がれることでしょう。

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