フェラーリ・FXX K

フェラーリFXX K：サーキットの王者

フェラーリFXX Kは、イタリアの自動車メーカー、フェラーリが開発した、究極のサーキット走行専用車です。公道走行は不可能で、選ばれた顧客のみがその性能を堪能できる、まさに特別な一台と言えるでしょう。

開発と発表

2014年12月、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催されたイベントで、フェラーリの顧客や報道関係者に向けてFXX Kが正式に発表されました。その存在は、購入を検討している一部顧客には事前に伝えられていましたが、世界的なメディアへの公開は、このイベントが初めてでした。発表後には、サーキットを走行する様子が公開され、世界中のモータースポーツファンを魅了しました。

ラ・フェラーリを凌駕する性能

FXX Kは、既に伝説的な存在となっているラ・フェラーリをベースに開発されました。「K」は、搭載された運動エネルギー回生システム（HY-KERS）に由来しています。ベース車両の6,262cc自然吸気V型12気筒エンジンは、FXX Kのために更なるパワーアップを果たし、最高出力860ps、最大トルク720Nmを達成。さらにHY-KERSシステムが190psをアシストすることで、システム全体で1050psという驚異的なパワーを生み出します。

走行性能を極める装備

最高出力だけでなく、FXX Kの走行性能は、あらゆる面で徹底的に追求されています。ピレリ製の専用19インチスリックタイヤと、ブレンボ製のカーボンセラミックコンポジット・ディスクブレーキは、強烈な加速と優れた制動力を実現します。これら、最高レベルのコンポーネントによって、ドライバーはサーキットを限界まで攻めることができます。なお、車両価格は公開されていません。

更なる進化：EVOバージョン

2017年には、FXX Kの進化版である「EVO」バージョンが発表されました。カナードの追加やリアウイング形状の変更により、空力特性が大幅に向上。既存のFXX Kにも後付けでEVOのパーツを取り付けることが可能で、新規車両の生産も限定数行われました。このバージョンは、サーキット走行における究極の性能を求めるオーナーに、更なる高みを提供します。

限定生産の証

FXX Kは、世界でわずか32台のみが生産されました。販売対象は、フェラーリの「コルセ・クリエンティ」プログラムに参加している既存顧客や、フェラーリ・チャレンジに参戦するドライバーなど、選ばれた顧客に限られています。日本には5台の割り当てがありました。この希少性こそが、FXX Kの所有を特別な栄誉とする理由と言えるでしょう。

まとめ

フェラーリFXX Kは、サーキット走行に特化した、究極の性能を誇るスーパーカーです。その圧倒的なパワー、高度な空力性能、そして限定生産という希少性は、世界中のモータースポーツファンを惹きつけてやみません。このマシンは、単なる自動車ではなく、技術の粋を集めた芸術品であり、フェラーリの妥協なき追求を象徴する存在と言えるでしょう。 所有できるのはごく限られた顧客だけですが、その存在は、私たちにモータースポーツの可能性を示唆する、特別な輝きを放っています。

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