フェリーあかしあ

フェリーあかしあの概要

フェリーあかしあは、新日本海フェリーが運営していた大型のフェリーで、1973年に就航しました。この船は、船舶建造の名門である神田造船所で製造され、同社が手掛けたフェリーすずらん丸及びフェリーはまなすに続く第3の船に位置づけられています。

船の特徴

フェリーあかしあの大きな特徴は、全長が1万トンを超えることにあります。この船は、北海道行きの航路において、初めてこの大きさを達成したフェリーとして、注目を集めました。特に船首部分には遮浪ドームが設置されており、波浪の影響を軽減することができます。また、特徴的なデザインとして、船体中央上部にはダミーファンネルがあり、視覚的なアクセントを与えています。

船内の設計も印象的で、2層の吹き抜け構造を持つラウンジが設けられており、旅客たちに広々とした空間を提供します。多様な客室の配置も特筆すべき点で、特別室から2等室まで、多くの旅客を収容できます。

航路の歴史

1973年7月の就航以来、フェリーあかしあは舞鶴・敦賀と小樽を結ぶ航路で、週に6便の運航を開始しました。その後、新潟港への寄港要望が持ち上がり、新日本海フェリーも寄港を希望しました。しかし、新潟港ではフェリーバースの整備や航路の浚渫が必要だったため、インフラ整備が完了するのを待つことになります。運輸審議会により1974年5月16日に敦賀-新潟-小樽航路が認可され、フェリーあかしあは同年の6月8日から新潟港への寄港を開始しました。

船内の設備と客室

フェリーあかしあには、客室が多種類用意されています。特別室は11名分、1等室は148名分、特2等室は203名分、2等室は945名分、さらにドライバー専用の部屋も80名分設けられています。

船内設備も充実しており、羅針儀甲板、展望室、食堂、売店、バー、麻雀ルームまで様々な貸し出し設備があります。また、ゲームコーナーや寿司コーナーも設置されており、乗客が楽しめるよう工夫されています。車両搭載区域も広く設けられ、トンネルの幅広いキャパシティで車両の輸送にも対応しています。

終焉と海外売船

フェリーあかしあは1988年7月にニューあかしあと交代し、その後引き渡された後、フィリピンのSulpicio Linesにて「Filipina Princess」として再就航しました。しかし、2011年にその運航が終了し、その後は解体されました。このように、フェリーあかしあは、長い歴史の中で多くの旅客を乗せ、様々な航路を支えてきた重要な船でした。

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