フェリーびざん

フェリーびざんの概要

フェリーびざんは、オーシャントランスが運航する新しい快適なフェリーです。この船は「シンプルフェリー」の第1号として、2016年の1月に運航を開始しました。以前のスタンダードフェリー「おーしゃんいーすと」に代わり、母港である徳島港の沖洲地区には新しいフェリーターミナルも新設されました。船の名前は、徳島市の名山「眉山」にちなんで付けられ、船体は鳴門の渦潮をイメージした鮮やかなブルーで彩られています。

航路と設計

このフェリーは、東京港（東京港フェリーターミナル）と徳島港、さらに新門司港を結ぶ航路で運航されています。

設計においては、安全性の向上を基本に、エネルギー効率やメンテナンスの簡素化を実現することを目指しました。尾道造船が特許を持つRORO船技術を基に設計され、低速主機関の1機1軸推進システムを採用し、旧船「おーしゃんいーすと」と比較して20%以上の燃料消費の削減を実現しています。さらに、車両甲板のレーン数を7から8に増やし、トラックの積載能力を約1.7倍に向上させました。オーシャントランスが開発した「オートラッシングシステム」を導入し、荷物の取り扱いがよりスムーズになり、乗組員の負担も軽減されています。

船内の特徴

船内は四国の自然を感じさせるデザインで、スダチの花をイメージした白を基調に、渦潮の青色が印象的です。

館内施設

フェリーびざんにはさまざまな施設が完備されています。エントランスホールや案内所、売店があり、乗客が快適に過ごせる環境が整っています。また、イートインスペース「オーシャンプラザ」では、各県の形状をあしらったテーブルが設置され、食事を楽しむことができます。

施設内には、自動販売機やバスルーム、シャワールーム、コインランドリーなども完備されており、特に女性向けのパウダールームやリラックススペースも用意されています。さらに、フォワードロビーや輪行スペース、ゲームコーナー、キッズルーム、喫煙室も併設され、さまざまなニーズに対応しています。

事故とインシデント

フェリーびざんは、過去に2回の事故に遭遇しています。

1つ目は2016年4月16日、徳島港の沖洲フェリーターミナルでの衝突事故です。この時、強風の影響で岸壁に衝突し、船体の一部が損傷しました。事故発生時は晴天で、風も強かったため、周囲が不安定でした。

2つ目は2016年10月13日に発生した火災です。この事件は横須賀港近くの海上で発生し、他の船から火の粉が飛んできたとの連絡を受けて防火が行われました。主機関の排気処理装置に溜まった煤が原因とされ、迅速な消火作業により大事には至りませんでした。

おわりに

フェリーびざんは、快適で便利な航路を提供するだけでなく、事故の防止や迅速な対応に関しても努力を続けています。また、視覚的な美しさや内装の工夫により、乗客に心地よい時間を提供しています。旅行や長距離移動の計画がある方には、ぜひ利用を検討していただきたいフェリーです。

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