フェルナンド6世 (スペイン王)

フェルナンド6世の生涯

フェルナンド6世（Fernando VI）は、1713年9月23日に生まれ、1759年8月10日に亡くなったスペインの王である。彼の在位期間は1746年7月から1759年までの13年間であり、フェリペ5世と初代王妃マリア・ルイサの四男として生まれた。彼は「慎重王」とも呼ばれ、物事を深く考慮する姿勢で知られていた。

家族と王位継承

フェルナンド6世の父、フェリペ5世は1724年に一時退位し、長男のルイス1世に王位を譲ったが、ルイスが急逝したため、フェリペは再び王位に就いた。ルイスより早く他の兄弟たちが亡くなったため、フェルナンドは父の死後、1746年に王位を継承することになる。

内政と改革

即位後、彼はエンセナーダ侯爵やホセ・デ・カルバハール・イ・ランカステルといった優れた家臣に支えられた。彼の統治下では、税制や財政の改革が行われ、海軍の強化、道路や橋、造船所などのインフラ整備が進められた。これらの施策は、スペイン国力の強化に繋がる重要なものであった。さらに王立サン・フェルナンド美術アカデミーの設立や天文台の設置といった文化的プロジェクトにも力を入れ、国の繁栄に寄与した。

外交政策

外交においては、エンセナーダとカルバハールの間での政争が影響を及ぼした。エンセナーダは親フランス派で、カルバハールは親イギリス派という立場で、二人は激しい対立を見せたが、フェルナンド6世はその間を中立で保ち、イギリス、フランス、ポルトガルとの関係を改善することに成功した。その後、アイルランド出身のリカルド・ウォールが首相となり、彼もまた親イギリス派であったが、フェルナンド6世の治世の間は引き続き中立の方針を貫いた。

教皇との合意と最晩年

また、彼は1753年にローマ教皇ベネディクトゥス14世との間でコンコルダートを結び、カルロス2世時代に喪失していた司教の任命権や聖職者への徴税権を取り戻すことができた。これにより、教会との関係を強化することができた。

私生活では、フェルナンド6世は1729年にポルトガルのジョアン5世の娘バルバラと結婚したが、子供には恵まれなかった。晩年にはバルバラを先に失い、精神的な健康を損ね、ビリャビシオーサ・デ・オドン城に幽閉されることとなった。最期は生きる気力を失ったような状態で過ごし、1759年に亡くなった。

死後の影響

彼は死後、マドリードのサレサス・レアレス修道院に埋葬された。フェルナンド6世の治世の後、異母弟のカルロスがスペイン王位を継承し、さらに新たな時代を迎えることとなった。フェルナンド6世の努めた政策や精神は、その後のスペインの歴史において重要な役割を果たしたと言える。

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