フェル・ハウンド

フェル・ハウンド

フェル・ハウンドは、イギリス原産のセントハウンド犬種で、かつてはフェル・フォックスハウンド、レイクランド・フォックスハウンドとも呼ばれていました。

歴史

キツネ狩りがスポーツとして発展する以前に誕生した犬種ですが、その起源には13世紀説と17世紀説があり、正確な年代は特定されていません。地方独自の犬種であり、イングリッシュ・フォックスハウンドの原型の一つとも考えられています。

フェル・ハウンドは、タルボット・ハウンドをベースに、地元のセントハウンド犬種を掛け合わせて作出されました。主にキツネ狩りのために用いられ、パックで獲物のにおいを追跡し、発見すると協力して仕留めていました。

レイクランド地方で人気を博していましたが、18世紀頃にイングリッシュ・フォックスハウンドが登場すると、その地位を徐々に奪われ、数を減らしていきました。1930年代にはイギリス国内で5つのパックが残るのみとなり、その後、多くは解体され、他の地元犬種に吸収される形で絶滅しました。現在、犬種としてのフェル・ハウンドは姿を消しましたが、その血統は地元の実猟犬に受け継がれています。

特徴

フェル・ハウンドは、通常のフォックスハウンドと比較して、骨量が少なく、細身で、小型で、色が薄いという特徴があります。骨量が少ないのは、祖先であるタルボット・ハウンドを軽量化し、俊足にするためでした。また、毛色が薄いのは、猟師が遠くから見てもキツネと見間違えないようにするためだと言われています。

筋肉質で引き締まった体つきをしており、脚が長いのが特徴です。耳は垂れ耳で、尾は飾り毛の少ない垂れ尾です。コートはスムースコートで、毛色はホワイトまたはミルク色をベースに、レモンやカフェオレといった淡い色が入ります。体高は不明ですが、イングリッシュ・フォックスハウンドよりも低いとされています。

参考文献

• - 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目

• - 犬の品種一覧

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