フォッカー D.XXI

フォッカー D.XXI

フォッカー D.XXIは、1935年にオランダの航空機メーカー、フォッカーによって設計された戦闘機です。この機体は、王立オランダ領東インド陸軍航空隊（ML-KNIL）の要求に応じて開発され、その目的に特化した安価で頑丈な小型機として知られています。D.XXIは、第二次世界大戦の初年に実戦に投入され、オランダおよびフィンランドの空軍に大きな貢献を果たしました。また、スペイン内戦の際には反乱軍の手に落ちる前に一部が製造されており、さらにはドイツがオランダを侵攻した際には、接収された機体がルフトヴァッフェにより運用されました。

開発の経緯

D.XXIの開発は、1934年11月14日にオランダ陸軍航空群からの新型戦闘機の設計提案に始まりました。フォッカー社の設計チームは、先行する成功した戦闘機の良い点を取り入れつつ、新しい技術を結集していくことを目指しました。初期の設計ではロールス・ロイス製のエンジンを使用する計画があり、当時としては十分な性能を持つ飛行機として期待されていました。1935年には試作機が製造され、初飛行は1936年の春に行われましたが、国防政策の変更により生産体制に疑問が生じました。

量産とその後

1937年にはオランダ政府よりD.XXIの量産が認可され、最初の36機の発注が下されました。この過程でフィンランドにもD.XXIの輸出が行われ、フィンランド国内ではさらに多くの機体がライセンス生産されました。フィンランドでの戦闘機としての活躍は特に冬戦争中に顕著であり、D.XXIはその性能によりフィンランド空軍において重要な役割を果たしました。

設計の特徴

D.XXIは低翼単葉構造で、頑丈かつ軽量な設計が特徴です。主翼は木製で、鋼管を用いたフレームに繊維素材が組み合わさっています。また、固定式降着装置といったシンプルな設計にもかかわらず、兵器としての要件を満たすべく、複数の機銃を搭載していました。実際、この機体は当時のオランダ空軍の機体よりも高い性能を実現し、新たな飛行機としての地位を確立しました。

実戦での活躍

D.XXIは冬戦争でその実力を証明し、フィンランドの航空戦力として敵機を撃墜するなど顕著な戦果を上げました。しかし、戦局が進展する中で新しいソ連戦闘機の登場により、D.XXIはその性能限界が明らかになり、次第に劣位に置かれることとなります。それでも、フィンランド航空隊は1949年までこの機体を運用し続けました。

ドイツ軍による接収

1940年5月、ドイツのオランダ侵攻によりD.XXIは再び実戦に投入され、連合軍として戦いましたが、対ドイツ軍の戦闘では数的優位を持つ敵に苦しみつつも、数機は戦果を挙げました。ドイツの接収後、D.XXIの運命は不明ですが、戦後にも一部がフィンランドやデンマークで運用されてきました。

最後に

フォッカー D.XXIは、その堅牢な設計と性能によって、オランダとフィンランドの航空史に名を刻んだ戦闘機であり、さまざまな国で利用され続けました。現在もいくつかの博物館でその姿を確認することができ、飛行可能なレプリカも製作され、多くの人々にその魅力を伝えています。

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