フォルクスワーゲン・ティグアン

フォルクスワーゲン ティグアン：歴史、モデル、日本での販売状況

フォルクスワーゲン ティグアンは、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンが製造するSUVです。2007年の発売以来、世界中で高い人気を誇り、2024年現在、760万台以上を販売しています。本記事では、ティグアンの歴史、各モデルの特徴、そして日本での販売状況について詳しく解説します。

ティグアンの起源とコンセプト

ティグアンのルーツは、2006年のジュネーブモーターショーで発表されたコンセプトカー「コンセプトA」に遡ります。同年11月のロサンゼルスオートショーでは、市販モデルを意識した「コンセプト・ティグアン」が公開され、フォルクスワーゲン、アウディ、ダイムラーが共同開発した次世代ディーゼルエンジン「ブルーテック」を搭載していました。このコンセプトカーは、後のティグアンの礎となりました。

初代ティグアン (2008年-2016年)：コンパクトSUVのパイオニア

2007年9月にフランクフルトモーターショーで世界初公開された初代ティグアン(5N型)は、2008年9月に日本市場へ導入されました。フォルクスワーゲンのSUVラインナップでは、大型SUVのトゥアレグに続くミッドサイズSUVとして登場し、ゴルフをベースとしたコンパクトなサイズが特徴でした。

グレードと装備

当初、日本市場ではオフロード走行に適した「トラック&フィールド」グレードが導入され、後にオンロード走行重視の「スポーツ&スタイル」グレードとスポーティな「R-Line」グレードが追加されました。4WDシステム「4MOTION」、ヒルディセントアシスト、オートホールド機能などを搭載し、様々な路面状況に対応できる高い走行性能を実現していました。

エンジンは、日本仕様では2.0L TSIエンジンにティプトロニック付6速ATを組み合わせた仕様のみが設定されました。このエンジンは、欧州のEuro-5排ガス基準に適合する高い環境性能を備えていました。

価格と販売

発売当初、「トラック&フィールド」の価格は360万円でしたが、原材料高騰などの影響で、その後値上げが繰り返されました。一方、アメリカ合衆国での価格は、日本円換算で約200万円と、日本市場よりも大幅に安価でした。

マイナーチェンジと特別仕様車

初代ティグアンは、販売期間中に何度かマイナーチェンジを受けました。マイナーチェンジでは、デザイン、安全装備、エンジン性能、燃費性能の向上が図られました。「ティグアン ライストン」などの特別仕様車も設定され、消費者のニーズに応じたバリエーションが提供されました。

2代目ティグアン (2016年-2023年)：進化した室内空間と安全性能

2015年9月のフランクフルトモーターショーで発表された2代目ティグアン(AD1型)は、フォルクスワーゲン製SUVとして初めてMQBプラットフォームを採用。全長と全幅を拡大し、ホイールベースを伸ばすことで、室内空間とラゲッジスペースの容量を大幅に拡大しました。

エンジンと駆動方式

エンジンは、ガソリンエンジンのTSIとディーゼルエンジンのTDIがラインナップされ、6速MTまたは6速/7速DSGと組み合わされました。駆動方式はFFが基本で、高出力グレードには4WDシステム「4MOTION」が設定されました。

安全装備と運転支援システム

安全面では、「Volkswagen オールイン・セーフティ」コンセプトに基づいた、ACC、Park Assist、アクティブボンネット、ポストコリジョンブレーキシステムなどの先進安全装備が搭載されました。上級グレードには、Lane Assist、Traffic Assist、Active Info Displayなどの運転支援システムも標準装備されました。

日本での販売

2017年1月に日本市場に導入された2代目ティグアンは、1.4L TSIエンジンと6速DSGの組み合わせのみが設定されました。3つのグレードが用意され、「TSI Comfortline」、「TSI Highline」、「TSI R-Line」がラインナップされました。

マイナーチェンジや特別仕様車の追加、ディーゼルエンジンの追加設定など、日本市場向けに継続的な改良が行われ、販売は拡大しました。

3代目ティグアン (2023年-): 最新技術と洗練されたデザイン

2023年9月に世界初公開された3代目ティグアン(CT1型)は、空力性能の向上、MQB evoプラットフォームの採用、先進運転支援システムの搭載など、様々な進化を遂げました。

新技術と装備

空力性能はCd値0.28と、先代よりも向上しました。DCC Pro、Vehicle Dynamics Manager、IQ.LIGHT HDなど、先進のシャシー制御技術とヘッドライトテクノロジーを搭載。駐車支援システムPark Assist Plusは、アクセルとブレーキ操作も自動で行うようになりました。

パワートレインは、マイルドハイブリッドシステム搭載の1.5L e[TSI]]エンジン(FF)と、2.0L TDIクリーン[[ディーゼルエンジン]が用意され、全車に7速DSGが組み合わされます。

日本での販売

2024年7月に日本市場への導入が発表され、同年11月に販売が開始されました。エントリーグレードの「Active」、上級グレードの「Elegance」、「R-Line」の3グレードが設定され、1.5L TSIエンジンと2.0L TDIエンジンの両方を搭載した計6グレードが展開されます。

車名「TIGUAN」の由来

ティグアンという車名は、ドイツ語の「Tiger」（虎）と「Leguan」（イグアナ）を組み合わせた造語です。力強さと洗練さを兼ね備えたティグアンの特徴を表しています。

まとめ

フォルクスワーゲン ティグアンは、発売以来、世界中で高い評価を受け、進化を続けてきた人気SUVです。コンパクトなサイズと高い実用性、そして先進の技術を組み合わせたティグアンは、今後ますます多くのユーザーを魅了していくことでしょう。

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