フォルテ (競走馬)

フォルテ：輝かしい経歴と突然の引退、そして薬物検査問題

フォルテは、2020年2月3日生まれのアメリカ合衆国産競走馬です。その競走生活は、華々しい勝利と突然の引退、そして薬物検査問題というドラマチックな展開で彩られました。

2歳シーズンはまさに無敵でした。デビュー戦を快勝で飾ると、G3サンフォードステークスでは4着と結果を残せませんでしたが、続くG1ホープフルステークスで圧巻の勝利を収めます。後方からレースを進め、直線で一気に抜け出し、2着馬に3馬身差をつける圧勝劇でした。勢いは止まらず、ブリーダーズフューチュリティステークスでもG1制覇。さらにブリーダーズカップ・ジュベナイルでも勝利し、G1競走3連勝という偉業を達成しました。これらの活躍により、フォルテは2022年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬に輝きました。

3歳シーズンも期待を背負い、G2ファウンテンオブユースステークスを制して始まりました。そして迎えたフロリダダービーでは、後方から追い込み、最後はメイジを1馬身差で差し切ってG1競走4勝目を挙げました。ケンタッキーダービーへの出走も予定されていましたが、レース当日に右前脚の打撲が判明し、残念ながら回避せざるを得ませんでした。

その後、ベルモントステークスで2着、ジムダンディステークスで勝利と結果を残しましたが、トラヴァーズステークスでは4着と、勢いはやや衰えを見せていました。ブリーダーズカップ・クラシックへの出走も予定されていましたが、調整の遅れを理由に、2023年10月19日、現役を引退することになりました。

しかし、フォルテの物語はこれで終わりではありませんでした。2022年のホープフルステークスのレース後に行われた薬物検査で陽性反応が出たことが発覚。ニューヨーク州賭博委員会は聴聞官の勧告に基づき、フォルテの失格を決定しました。しかし、プレッチャー調教師によるニューヨーク州および地方自治体の措置または不作為に対する控訴申し立てを受け、2023年12月21日、ニューヨーク州最高裁判所により処分の一時差し止め命令が出されました。この問題は、フォルテの競走馬としての記録だけでなく、競馬界全体に大きな波紋を広げました。

フォルテは、その短い競走生活の間に、多くのファンを魅了しました。圧倒的な強さを見せつけた一方で、予期せぬ引退、そして薬物検査問題と、数々のドラマを経験しました。彼の競走馬としての記録、そしてその後の展開は、競馬史に長く語り継がれることでしょう。現在フォルテはスペンドスリフトファームで種牡馬として第二のキャリアをスタートさせています。今後の活躍にも期待が集まります。

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