フォルバン級防護巡洋艦

フォルバン級防護巡洋艦の概要

フォルバン級防護巡洋艦は、フランス海軍によって建造された全鋼製の防護巡洋艦であり、三等巡洋艦に分類されます。この艦級は、1886年にオーブ海相が提案した「巡洋艦と水雷艇」というコンセプトに基づいて設計され、艦隊用の小型高速防護巡洋艦の一部として3隻が建造されました。

軍艦の設計

フォルバン級は、フランス海軍が主に採用していたタンブル・ホーム型船体を持っています。この形状は、水面から上部の構造を引き絞り、船体の重量を軽減する方式です。これにより、艦体は他国の水雷艇や軽艦艇にも見られるデザインと共通する特徴を持つようになりました。

特に、フォルバン級の水線部は艦首や艦尾が大きく突出しており、舷側甲板よりも水線部の装甲が目立つ形状が印象的です。そのため、船体は水線下から甲板にかけて引き絞られ、甲板面積が小さくなる一方で、備砲の射界は広がりやすくなっています。この設計は、戦闘における柔軟性や攻撃力の向上に寄与しました。

船体と構造

本艦は前級と同様に、艦首から艦尾にかけて高く、なだらかな傾斜を持つ平甲板型船体を採用しており、スクーナー型の帆走用マストが3本装備されています。艦首の水面部が大きく突出しているため、艦首甲板上には前部マストが立てられ、その背後には両脇に箱型の艦橋が配置される形になっています。

後方中央には、細身の2本の煙突が位置しており、その周囲は艦載艇の置き場になっています。また、船体中央部の舷側には、片舷に3組ずつのボート・ダビットが設置されており、艇の運用が効率的に行えるようになっています。

舷側には、箱型の砲郭（ケースメイト）が片舷に2カ所設けられ、そこには14cm口径の単装砲が片舷2基ずつ置かれ、合計で4基の火器を搭載しています。

同型艦と関連情報

フォルバン級は以下の艦艇が含まれます：

• - フォルバン（Forbin）
• - シュルクーフ（Surcouf）
• - コエトロゴン（Coetlogon）

フォルバン級防護巡洋艦に関する詳細な情報は、以下の参考資料を参照してください：

• - 「Conway All The World's Fighting Ships 1860-1905」（Conway）
• - 「Conway All The World's Fighting Ships 1906-1922」（Conway）
• - 「世界の艦船増刊第50集　フランス巡洋艦史」（海人社）

更に詳細な情報は、外部リンクとして「Forbin (1886)」のページをご覧ください。そこには「フォルバン」の写真や仕様情報が記載されています。

まとめ

フォルバン級防護巡洋艦は、フランスの海軍史において重要な役割を果たした艦種であり、その設計や運用方法は、当時の海戦における要求に応じて発展していきました。この艦級の特徴的なデザインや性能は、後の艦船設計においても影響を与えることとなります。

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