フォルミニーの戦い

フォルミニーの戦いの詳細

1450年4月15日、フランス北部ノルマンディー地方で行われたフォルミニーの戦いは、百年戦争の中での重要な転換点となりました。この戦闘では、フランス軍が決定的な勝利を収めた結果、イングランド軍はノルマンディーを完全に失うこととなり、戦争の帰趨が定まったのです。

背景

百年戦争中期、フランスはジャンヌ・ダルクの活躍によるオルレアン包囲戦の勝利を機に勢いを取り戻していました。シャルル7世の即位や国内の緊密な協力体制の構築により、フランス軍は次第に力をつけていきました。一方、イングランドはヘンリー6世の治世下で内政が混乱し、戦意が失われていました。このような背景から、フランスは再び積極的な攻勢をとることになりました。

ノルマンディー攻防戦の開始

1449年3月、イングランド軍はブルターニュの都市フージェールを占領し、翌年にはフランスに対し攻撃を開始しました。フランス軍はリッシュモン大元帥の元、再編成された軍隊をもって反攻し、次々とイングランドの拠点を奪還。特にノルマンディー西部の拠点であるクタンスやサン＝ローを無血で取り戻しました。

戦闘の経過

1450年4月、イングランド軍はトーマス・キリエルの指揮のもとで増援を送り、重要な拠点であるヴァローヌを奪取しました。これに呼応してフランス軍も急遽展開し、リッシュモン大元帥の指示の下、クレルモン伯を派遣してイングランド軍の動きに対抗しました。クレルモン伯は、イングランド軍がフォルミニーで静止したと際、戦闘を開始しました。

フォルミニーの戦い

戦闘は厳しいものでした。イングランド軍は事前に陣地を構築して待ち受け、フランス軍の攻撃を迎え撃ちました。戦局が不利となったフランス軍はその後、リッシュモン大元帥が急行し、状況を好転させました。彼の指揮のもと、騎兵による突撃や連携した攻撃が功を奏し、イングランド軍は半包囲に陥りました。結果として、イングランド軍は大敗し、約4000人が戦死、指揮官のキリエルも捕虜となりました。

戦闘の結果と影響

この戦いの勝利により、フランス軍はノルマンディーをほぼ完全に支配することとなります。そして、戦後のノルマンディーではさらに攻撃が続き、イングランド軍は完全に追放されました。この勝利はただの戦争の勝利にとどまらず、フランスの軍制改革が実を結んだ証ともなりました。フランスは後にカスティヨンの戦いを経て百年戦争を勝利に導くことになります。

フォルミニーの戦いは、フランスとイングランドという二国間の対立の中で、新たな歴史的な転機をもたらしました。イングランドにとってこの敗北は、戦争の長期化と資源の消耗を意味し、結果的に百年戦争における彼らの衰退の一因となったのです。

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