フォレストプロット

フォレストプロットの概要

フォレストプロット（forest plotまたはblobbogram）は、同様の課題を扱った多くの科学的研究から得られた推定結果を、視覚的にまとめたグラフの一種です。特に医学研究においては、ランダム化比較試験の結果を統合するために開発され、現在では観察研究などにも広く利用されています。この20年間で、フォレストプロットは様々な研究領域に拡張され、効果的なデータの可視化手段として位置づけられています。

フォレストプロットの構成

フォレストプロットは通常、2つの列からなります。左側には研究名が時系列で配置され、各研究が実施された年代や著者名が記載されます。右側の列では、研究ごとに効果測定値がプロットされており、これをボックスで表現します。また、ボックスから延びる水平線は信頼区間を示します。

効果の測定

効果の測定値は、例えばオッズ比の形で示され、その表現はしばしば対数スケールで行われます。これは、1より大きいオッズ比が過度に強調されないようにするためです。フォレストプロットで用いられるボックスのサイズは、メタアナリシスにおける研究の重みに比例しています。さらに、全体的なメタアナリシスによる効果の測定値は、一般的に菱形で示され、その幅が推定値の信頼区間を示しています。

効果なしの線と統計的有意性

フォレストプロットには、効果がないことを示す垂直線も描かれます。もし特定の研究の信頼区間がこの線と重なっている場合、その研究は与えられた信頼水準の下で、効果がないと見なせます。この原則は、メタアナリシス全体の結果にも適用され、全体の菱形が効果なしの線と重なる場合、メタアナリシスによる結果は効果がないとみなされます。

フォレストプロットの歴史

フォレストプロットの起源は1970年代にさかのぼります。1985年に発表されたメタアナリシスに関する書籍には、初めてのプロットが掲載されています。また、1996年にアメリカの臨床試験学会で「フォレストプロット」という名称が始めて用いられました。さらに、2001年にはその由来についての調査が発表され、森林を象徴するかのように、各効果の可視化が展開される様子が記されています。

フォレストプロットの実用性

このプロットは、同じ効果を示す複数の研究の結果を比較するためにも役立ちます。異質性（なぜ研究結果にばらつきが存在するか）を示す指標としてI2が使われます。I2が50％未満の場合は「低い異質性」とみなされ、研究間での類似性が高いことを示します。逆に、I2が50％を超える場合は、研究結果に異質性が見られ、明確な結論を導くのが難しいとされます。

まとめ

フォレストプロットは、メタアナリシスやシステマティックレビューにおいて、研究結果を整理し、視覚的に解釈するための有益なツールです。医学や環境科学などの分野では、効果の統計的分析を理解する一助として、多くの研究者によって愛用されています。

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