フォーキノ (沿海地方)

フォーキノ：ロシアの閉鎖都市

フォーキノ（ロシア語: Фо́кино）は、ロシア連邦沿海地方のシコトヴォ地区に位置する閉鎖都市です。2021年のデータによると、フォーキノの人口は19,711人です。この都市は、ウラジオストクとナホトカの中間にあり、ピョートル大帝湾の東側にあるアブレーク湾に面しています。ウラジオストクからは南東へ約45kmの距離にあり、12km南西にはドゥナイ村、14km南にはプチャーチン村が存在し、これらの村はフォーキノ市の管理下にあります。

フォーキノは、ロシアの太平洋艦隊の基地があるため、外国人が市内に入るには特別な許可が必要です。しかし、プチャーチン島やアスコリド島といった観光地については、この許可は不要であり、これらの周辺海域の豊かな自然環境が観光資源となっています。実際、これらの観光地には毎年2,000人以上の観光者が訪れています。

プチャーチン島には約2,400人の住民が暮らしており、主に海産物の漁獲と加工およびミンクやアクシスジカの養殖が行われています。一方でアスコリド島には住民がいないため、観光客もあまり訪れませんでした。かつては、1995年までは商業活動が禁じられていたため、観光客はほとんどおらず定期航路も存在していませんでした。この島には数十トンもの金が埋蔵されているとの推定もあり、将来的な資源としての可能性が期待されています。

フォーキノの歴史

フォーキノの地域には、1891年にプロミスロフカという村が設立されました。その後、1907年には中央ヨーロッパからの移民によって、外洋に近いドゥナイ村が建設され、ダニューブ川にちなんで名付けられました。1963年には、プロミスロフカが都市型集落（町）として認定され、海軍の住宅地であるチホオケアンスキーも併せて都市型集落となりました。

1980年10月4日には、これらの町が合併し新たに市としての地位を得ました。海軍基地が所在する都市の性格上、フォーキノは厳しい立ち入り制限が設けられた閉鎖都市となりました。当時、公式には「シコトヴォ17」というコードネームが用いられていました。同様に、ドゥナイ村は「シトコヴォ22」、プチャーチン村は「シトコヴォ26」という名称で呼ばれていました。

1994年以降、これらのコードネームに代わり、「フォーキノ」という名称が正式に使われるようになりました。現在、フォーキノはそのユニークな歴史と豊かな自然環境を背景に、静かな閉鎖都市として存在し続けています。

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