フォード・ジャパン

フォード・ジャパン・リミテッドの概要

フォード・ジャパン・リミテッド（FJL）は、アメリカの自動車メーカーであるフォード・モーターの100%子会社です。この企業は主に日本市場においてフォード製の自動車を輸入し販売していました。また、会社はアメリカの法律に基づいて設立され、ミシガン州ディアボーンに本社があり、日本の拠点は東京都港区に位置していました。

会社の設立と歴史

FJLの歴史は、1974年に「フォード自動車（日本）株式会社」として始まりました。この企業は、フォード製品を日本で販売するために設立されました。1981年には、マツダと共にフォード車の販売を行う「株式会社オートラマ」が設立され、その後1997年には社名を「フォードセールスジャパン株式会社」に変更しました。

1999年には、オートラマの株式をフォードが取得し、正式にフォード・ジャパン・リミテッドが設立されました。この時、FJLはそれまでの全ての事業及び資産を継承し、新たに直営販売会社「フォード・ジャパン・ディーラー・リミテッド」を設立しました。

日本市場での活動

FJLは、直営店舗を通じて関東地域においてフォード車の販売を行い、2000年代にはマツダOEM車の販売を中止しました。この決断は、ブランドイメージの向上を目指したものでした。しかし、日本市場での販売台数は思うように伸びず、フォードは苦境に立たされました。

2016年に入ると、フォードは日本市場からの撤退を発表しました。理由として「収益改善への合理的な道筋が見えない」とし、日本特有の市場環境が影響しているとされました。それまで頑張ってきた多くのディーラーは、売上の減少やフォード製品のローカライズ不足によって、存続が難しくなりました。

2016年の撤退

2016年1月26日に公式に日本国内での事業終了が発表され、その後、全ての直営店舗が閉鎖されていきました。日本市場におけるフォードの歴史は、約111年に及びましたが、2016年をもって完全に幕を閉じることとなりました。その後、FJLやFJDLは完全に閉鎖され、正規ディーラー網は失われました。

ディーラー網の変遷

FJLのディーラー網は、フォード車を扱う「オートラマ店」としてスタートし、1994年に「フォード店」として改名されました。しかし、販売そのものはなかなか伸び悩み、最終的には各地でのディーラーの閉鎖が相次ぎました。特に2015年には、かつて多くの店舗が存在した千葉県でも1店舗まで減少しました。

撤退後は、部品供給やアフターサービスを他社に委託する形で移行。具体的には、VTホールディングスグループの「ピーシーアイ」が、全国のフォードの部品供給やアフターサービスを引き継ぐことが決まりました。

まとめ

フォード・ジャパン・リミテッドはその設立以来、日本市場においてアメリカ製自動車の普及を目指して多くの取り組みを行ってきましたが、2021年以降はその姿を消すこととなりました。日本市場におけるアメリカ車の扱い方やマーケティング戦略に多くの変更が求められる中で、フォードは日本市場との関係を断ち、フォード車に魅力を感じる新たな顧客層が再構築されるまで長い道のりが続くこととなります。

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