フォーミデブル系

フォーミデブル系のデンドロビウムの特徴と魅力

フォーミデブル系は、デンドロビウムに分類される洋ランの一種であり、その特性や栽培方法において多くの魅力を持っています。この系統のデンドロビウムは、主に夏に白い大きな花を少数咲かせることで知られています。

概要

デンドロビウムには様々な原種と交配品種が含まれており、一般的にはノビル系やファレノプシス系（デンファレ系）などが名高いですが、フォーミデブル系も重要な分類の一つです。この名称は、デンドロビウム・フォーミデブル（Dendrobium Formidible）という交配品種から由来しています。フォーミデブル系は、通常、初夏から夏にかけて花を咲かせるため、他の洋ランが開花しにくいこの時期に利用される貴重な存在です。

特徴

フォーミデブル系のデンドロビウムは、細長い偽球茎を持ち、高さは約50cm程度まで成長します。偽球茎は節ごとに葉をつけており、全体に数枚の葉がついています。特に特徴的なのは、茎の先端部分から花が咲くことで、通常は短い花茎に3輪程度の花を持つスタイルです。花の直径は約10cmで、平らに開いた大輪となります。その姿はノビル系とは異なり、形状的にはカトレアを思わせる部分もあります。花の色は主に白ですが、唇弁の中心部分が黄色く色づく個体も存在します。また、他の色合いの品種は現在では確認されていません。加えて、偽球茎には短い黒い毛がまばらに生えているという隠れた特徴も持っています。

品種

フォーミデブル系の代表的な品種であるフォーミデブルは、原種のフォルモサム（D. formosum）とインフンディブルム（D. infundibulum）の交配によって生まれました。他にも、近縁の原種としてはサンデレー（D. sanderae）やデアレイなどがあり、これらの種を用いた交配品種もフォーミデブル系に含まれます。

栽培と利用法

フォーミデブル系は、洋ランの中でも栽培が比較的容易な部類に入ります。他のデンドロビウム系の中でもデンファレ系ほど寒さに弱くなく、最低でも5℃程度の温度に耐えることができ、理想的には10℃以上の環境を求めます。春に出た偽球茎は、夏の間に成熟し、翌年にはつぼみを形成します。

開花期は初夏から夏にかけて長期間続くことがあり、場合によっては2ヶ月以上にわたって花を楽しむことも可能です。その清々しい姿は、屋外での鑑賞にも適しており、特に開花する洋ランの種類が少ない時期でのギフトとしても非常に人気があります。

フォーミデブル系のデンドロビウムは、その特異な花形と成長特性から、多くの洋ラン愛好家にとって魅力的な存在となっています。

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