フォーミュラEnjoy

フォーミュラEnjoyは、日本のフォーミュラカーレースカテゴリーの一つであり、ジュニアフォーミュラに分類されるワンメイクレースです。2002年7月6日、鈴鹿サーキットとフォーミュラE運営協会によって発表され、2003年から開催されています。

このレースシリーズの大きな特徴は、低コストで誰でも参加しやすい環境を目指している点です。従来の入門者向けフォーミュラカーレースは高額な費用がかかるため、継続的な参加が困難でしたが、フォーミュラEnjoyは、ホンダフィットの1.3Lエンジンを使用するなど、市販車の部品を積極的に採用することで、参戦コストの大幅な削減を実現しています。これにより、多くのドライバーがモータースポーツの世界に容易に足を踏み入れ、レースを楽しむことができるようになりました。

車両は、ウエストレーシングカーズから供給されるFE1とFE2の2種類があります。FE1は2003年のシリーズ開始当初から使用されており、FE2は2015年から導入されました。当初は鈴鹿サーキットの鈴鹿クラブマンレースでシリーズを開催していましたが、2019年には岡山国際サーキットのOKAYAMAチャレンジカップレースも加わり、FE1とFE2の混走レースが行われていました。2019年度をもってFE1とFE2の混走シリーズは終了し、2020年度からは鈴鹿サーキットと岡山国際サーキットにおいて、FE2車両によるシリーズ戦が開催されています。

フォーミュラEnjoyは、上級カテゴリーへのステップアップを目的とするだけでなく、モータースポーツへの入門を容易にすることを重視しています。ドライビングに集中できる環境を提供し、レースを楽しむことを第一に考えている点が大きな魅力です。そのため、初心者でも安心して参加できるよう、様々なサポート体制が整えられています。

フォーミュラEnjoyの運営には、多くの企業や団体が関わっています。フォーミュラE運営協会を筆頭に、ウエストレーシングカーズ、オスカ、東京アールアンドデー、鈴鹿サーキットランド、フォーミュラE運営ガレージ、レプリスポーツ、グリッド、F、エーワン、スキルスピード、レブレーシングガレージ、自動車工房ミスト、イーグルスポーツ、K&Gレーシング、Ｍ２、ルーニーコーポレーション、ケイマックス スピード、NEOS、ザップスピード、Giddy UPといった企業が協力し、レースの運営や車両の整備、サポートなどを担っています。

車両のスペックについても見ていきましょう。FE1とFE2はシャーシ、エンジン、サスペンションなど多くの部分で仕様が異なります。

FE1:
シャーシ: セミモノコック（鋼管スペース＋アルミプレート）
エンジン：ホンダ技研工業製　1.3L SOHC 直列4気筒エンジン
変速機:5速
サスペンション: フロント：ロッキングアーム式インボードタイプ リヤ：アウトボードタイプ
全長:約3,500mm
全幅:約1,650mm
全高:約1,050mm
タイヤ：ダンロップ（D93J for FORMULA ENJOY）
車両重量：約430kg

FE2:
シャーシ: 鋼管スペース＋アルミプレート
エンジン：ホンダ技研工業製 1.3L（型式：L13B i-VTEC）水冷直列4気筒 DOHC 4バルブPGM-FI（電子制御燃料直噴式）
最高出力 :100PS
最大トルク :12.1kg-m
変速機:5速
サスペンション: フロント：プッシュロッド式インボードタイプ リヤ：アウトボードタイプ
全長:約3,743mm
全幅:約1,725mm
全高:約1,040mm
タイヤ：ダンロップ（D93J for FORMULA ENJOY）
車両重量：約487kg

このように、フォーミュラEnjoyは、低コスト、イコールコンディション、そして何より楽しめるレースを目指した、初心者にとって魅力的なフォーミュラカーレースシリーズです。今後も、多くのドライバーにモータースポーツの楽しさを提供し続けることが期待されます。

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