フォームファクタ

フォームファクタとは

フォームファクタ（form factor）とは、コンピュータの主要なシステム部品、特にマザーボードやケースなどの物理的な寸法やレイアウトを規格化したものです。これにより、異なるメーカーや世代間でも部品の互換性を保ち、ユーザーは部品の交換やアップグレードを容易に行うことができます。

フォームファクタの概要

特にPC/AT[[互換機|PC_AT互換機]]においては、フォームファクタに準拠することで、異なるベンダー間や異なる世代間での部品交換が可能になります。これは、ユーザーにとって非常に大きなメリットであり、コンピュータのメンテナンスやアップグレードを容易にする重要な要素です。また、業務用のコンピュータでは、サーバモジュールが既存のラックマウントシステムにぴったり収まることを保証するために、フォームファクタが重要になります。

マザーボードのフォームファクタ

フォームファクタの中でも最も重要かつ古くから使用されているものの一つに、マザーボードの形状規格があります。マザーボードのフォームファクタは、ケースの大きさを決定する重要な要素であり、コンピュータ全体のサイズに大きな影響を与えます。近年では、より小型のマザーボード（スモールフォームファクタ）が開発され、実装されていますが、さらなる小型化には、電源回路の技術革新が不可欠です。

マザーボードの新規格は、新世代の部品開発と共に生まれてきました。例えば、AGP（Accelerated Graphics Port）やPCI Expressなどの新しいインターフェースが登場するたびに、マザーボードの規格も変化してきました。しかし、マザーボードの寸法やレイアウトの規格の変化は、部品自体の変化に比べて緩やかであり、標準によって厳格に制御されています。マザーボードに搭載されるべき部品群の変化は、部品自体の変化よりも遅れる傾向があります。例えば、ノースブリッジコントローラは、多くのメーカーがそれぞれ独自のものを開発してきましたが、その要求仕様自体は長年にわたってほとんど変化していません。

フォームファクタの進化

フォームファクタは、ゆっくりとしたプロセスではありますが、需要の変化に応じて定期的に進化してきました。初期のPC規格であったAT規格は、1995年に登場した業界標準のATX規格に置き換えられました。ATX規格は、21世紀に入ってからも多くのPCマザーボードの設計や寸法に影響を与えており、最近では2007年に改訂されています。チップセットメーカーのVIAが提唱したEPIA（ITXとも呼ばれる。EPICとは異なる）は、より小型のフォームファクタと独自の規格に基づいています。

フォームファクタの違いは、それぞれの規格が意図する市場の違いに起因します。大きさ、設計上の妥協点、要求される機能などが関係しており、近年のコンピュータの多くは要求されるものが類似しているため、フォームファクタは、ターゲットとするものがそのサブセットなのかスーパーセットなのかという点で異なってきます。例えば、デスクトップ型PCでは、柔軟性を高めるために、様々な入出力端子や拡張スロットが求められますが、マルチメディアシステム用のコンピュータでは、発熱量と大きさの最適化が重要となり、拡張カードのスロットが省略されることもあります。

マザーボードをできるだけ小型化しようとすると、特定のメーカーの特定のチップにCPUを限定し、柔軟性を犠牲にせざるを得ない場合があります。

フォームファクタの比較

フォームファクタの比較は、物理的な寸法、拡張スロット数、対応ケースなど、様々な要素によって行われます。以下に、主なフォームファクタの比較を示します。

物理的寸法の比較

フォームファクタによって、マザーボードやケースの物理的な寸法は大きく異なります。これにより、コンピュータ全体のサイズや設置場所の制限が変わってきます。

PCI/AGP/PCI-e スロット数の上限

拡張カードを接続するためのスロット数も、フォームファクタによって上限が異なります。例えば、ATX規格では複数の拡張スロットが提供されますが、より小型のフォームファクタでは拡張スロット数が制限される傾向があります。

ATX用ケースに互換性のあるもの

ATX規格は、最も一般的なフォームファクタの一つであり、多くのケースがATX規格に対応しています。他のフォームファクタは、より小型のケースや特定の用途向けのケースに採用されることが多いです。

各種フォームファクタの実例写真

ATX
Micro ATX
Mini ITX
EPIA (ITX)
その他

(実際の写真や図は、別途参照して補完してください。)

まとめ

フォームファクタは、コンピュータの基本的な構成要素であり、その選択はコンピュータの性能、拡張性、サイズに大きく影響します。それぞれのフォームファクタには、特定の用途や市場に対応した設計思想が込められており、ユーザーは自分のニーズに合わせて最適なフォームファクタを選択する必要があります。

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