フジウツギ属

フジウツギ属について

フジウツギ属（Buddleja）は、ゴマノハグサ科に属する植物であり、世界中に約100種類が存在しています。これらは主に常緑または落葉性の低木ですが、中には30メートルに達する高木や草本も含まれています。主にヨーロッパやオーストラリアを除く温帯や熱帯地域に広がっているため、さまざまな環境で見られます。多くの種は花が香り高く、蜜を多く分泌するため、蝶々の吸蜜に最適な環境を提供します。しかし一方で、これらの植物にはサポニンという有毒成分が含まれている場合もあります。

特徴

フジウツギ属の葉は1から30センチメートルの細長い形状をしており、ほとんどの葉は対生しています。花は筒状で、それぞれ約1センチメートルの長さがあります。花びらの先は4つに裂けており、10から50センチメートルの長さの密な円錐花序を形成します。花の色は多様で、白色や桃色、赤色、紫色、オレンジ色、黄色のバリエーションがあります。果実は蒴果で、中には多数の種子が入っています。

日本では、フジウツギ（B. japonica）とウラジロフジウツギ（B. curviflora）が自生しており、その名は花序が藤の花に似ていることに由来しています。園芸用として栽培されている種も多く、特にフサフジウツギ（B. davidii）はその代表格です。これは寒冷地域を除いて広く栽培可能で、多くの場合、野生化することも見られます。この種は中国原産であるとされますが、秩父地方で野生の状態で見つかったことからチチブフジウツギという別名もあります。

オレンジ色のB. globosaやライラック色のB. alternifolia、さらには交雑種のB. x weyeriana（B. globosaとB. davidiiの交雑種）なども人気があります。また、沖縄では中国原産のトウフジウツギ（B. lindleyana）が広く栽培されています。

栽培方法

フジウツギ属は花木の中でも栽培が比較的容易な植物の一つです。種からの栽培は春に始め、翌年には開花することが多いです。とはいえ、木本としては比較的短命で、数年以内に枯れることもあります。種は主にB. davidiiの空色系や混合色、B. globosaが手に入りやすいです。

4月に種まきを行いますが、種子は非常に小さいため、一袋に多くの量が含まれています。苗床に播く際は覆土をせず、手のひらで軽く押さえ、細めのじょうろで丁寧に水やりを行います。発芽には約10日から2週間を要し、その後混み合った部分は間引き、本葉が出たら仮植えを行い、最終的には1メートルの間隔で定植します。

春から秋にかけて日向や半日陰の水はけの良い場所を好み、移植時には根が土と離れやすいため注意が必要です。挿し木も容易に行えるため、繁殖も比較的簡単です。

名称の由来

この属の名前は、イギリスの国教会宣教師であり植物学者のアダム・バドル（Adam Buddle）の名に由来しています。正しい学名は「Buddleia」とされる可能性がありますが、スウェーデンの植物学者リンネが「Buddleja」と記載したため、この形で正式に定着しています。

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