フセヴォロド・スヴャトスラヴィチ (キエフ大公)

フセヴォロド・スヴャトスラヴィチ：赤毛の公、その生涯

フセヴォロド・スヴャトスラヴィチは、チェルニゴフ公スヴャトスラフの子として生まれ、スタロドゥーブ公、チェルニゴフ公、そしてキエフ大公という要職を歴任した人物です。その風貌から「チェルムヌィー（赤毛の意）」と称され、聖名はおそらくダニールであったとされています。彼の生涯は、キエフ大公位をめぐる激しい権力闘争と、周辺諸国との複雑な関係に彩られています。

生涯

ポーランドとの関係

1178年、フセヴォロドはポーランドのカジミェシュ2世の娘マリアと結婚し、ポーランドからの支援を得ようとしました。この結婚は、彼の政略的な手腕を示すものと言えるでしょう。

キエフ大公位をめぐる争い

フセヴォロドは、ガーリチのロマンとの間でキエフ大公位を激しく争いました。ロマンの死後、一時的にキエフ大公位はオーヴルチ公リューリクの手に渡りますが、1207年、フセヴォロドはウラジーミルやウラジーミルと共にキエフを攻め、これを奪取しました。しかし、その支配は長くは続かず、リューリクに奪還されてしまいます。

年代記には、フセヴォロドの同盟軍であるポロヴェツ族によって、ルーシの地に多くの災いがもたらされたと記されています。この記述は、当時の政治情勢の不安定さを物語っています。

再びキエフ大公へ

1210年、フセヴォロドは再びキエフ大公位に就きました。これは、リューリクらスモレンスク・ロスチスラフ家とウラジーミル大公フセヴォロドとの関係が悪化したことが背景にあります。彼はウラジーミル大公との同盟を深めるため、娘アガフィヤをウラジーミル大公の息子ユーリーと結婚させました。しかし、ウラジーミル大公位は、リューリクらスモレンスク・ロスチスラフ家出身のコンスタンチンの手に渡ります。

スモレンスクを巡る争いと失脚

1212年にリューリクが亡くなると、フセヴォロドはスモレンスクを奪おうとしますが、ノヴゴロド公ムスチスラフに阻止されます。さらに、キエフ大公位もまた、ムスチスラフに譲渡せざるを得なくなりました。

年代記は、1215年には既に、チェルニゴフ公としてフセヴォロドの弟グレプの名を記しています。これは、フセヴォロドがこの頃には既に失脚していたことを示唆しています。

妻子

フセヴォロドは、カジミェシュ2世の娘マリアを最初の妻とし、彼女との間にミハイルをもうけました。ミハイルは後にチェルニゴフ公、キエフ大公となり、列聖されています。また、アンドレイという息子もいたとする説がありますが、異説もあります。

フセヴォロドは再婚しており、娘のアガフィヤとヴェラは二人目の妻との間に生まれたとされています。アガフィヤはウラジーミル大公ユーリーと、ヴェラはプロンスク公ミハイルと結婚しました。

フセヴォロド・スヴャトスラヴィチは、激動の時代を生きたルーシの公として、その名 voice 歴史に刻まれています。

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