フセヴォロド3世

フセヴォロド3世の生涯と功績

フセヴォロド3世（1154年 - 1212年4月15日）は、ウラジーミル大公として知られ、短い間ではあるもののキエフ大公も務めました。彼の洗礼名はドミートリーであり、モスクワ北方に位置する町ドミトロフは彼の誕生を記念して建設されました。父はユーリー・ドルゴルーキーで、祖父はウラジーミル2世モノマフ、また異母兄にあたるのがアンドレイ1世です。フセヴォロドは初めて公式にウラジーミル大公を名乗った人物でもあり、彼は多くの子供を持っていることから「大巣公」と称されています。彼の息子にはコンスタンチン、ユーリー2世、ヤロスラフ2世が名を連ね、さらに孫の中には著名なアレクサンドル・ネフスキーがいます。彼の妻はオセット出身とされるマリヤで、後にヴィテプスク公ヴァシリコ2世の娘リュバヴァを迎えました。

政治的活動と内戦

フセヴォロド3世の大きな政治的功績の一つは、1169年にウラジーミル大公であった兄アンドレイ1世の命により、甥のムスチスラフと共にキエフを陥落させたことです。この一連の動きは、彼が軍事的なリーダーとしても大いに活躍していたことを示しています。その後の1173年、彼は従兄弟であるダヴィドとムスチスラフに捕えられる事態に見舞われます。

アンドレイ1世の死後、1174年には、ウラジーミル大公国内で激しい内乱が勃発しました。この頃、フセヴォロドと彼の兄ミハイルの叔父と、ムスチスラフおよびヤロポルクの甥との間に争いが起こり、若年層を支持する叔父陣営が年長層であるロストフ市やスーダダリ市を支持した甥陣営に勝利することとなります。この結果、フセヴォロドはウラジーミル大公からペレヤスラヴリ公に転任されます。1176年、ミハイルが亡くなると、再びムスチスラフを退け、ウラジーミルの市民から公として迎え入れられました。

外交と軍事活動

フセヴォロド3世の外交活動は特に1182年から活発化し、彼はヴォルガ・ブルガールに目を向け、1186年にはその地域に向け遠征軍を派遣しています。これにより、彼はウクライナとロシアの境界域での影響力を拡大し、地域の安定を図りました。

最後の年と後継者

1212年、フセヴォロド3世は全ルーシの多くの公から「父」と称えられ、キエフを含む広大な土地でその勢力を誇示しました。しかし、その生涯の終焉が近づく中、彼は長子コンスタンチンではなく次子ユーリーに権力を譲る決断を下しました。これは、彼の後継者問題が持つ複雑さを映し出す選択であり、以後のロシアの歴史にも深く影響を与えることとなります。

フセヴォロド3世の生き様は、時代の波と公国間の争いが続く中で、彼自身の権力を確立していくものだったと言えるでしょう。

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