フラッシュマチック

フラッシュマチックは、エレクトロニックフラッシュ撮影において、フィルムの感度とフラッシュのガイドナンバーを設定することで、撮影距離（ピントリングの回転）に連動して絞りを適切な値に自動調節するカメラやレンズの機能です。

フラッシュマチック登場の背景

エレクトロニックフラッシュに自動調光機能が普及する以前は、フラッシュ撮影を行う際に、撮影者はガイドナンバー、撮影距離、フィルム感度といった情報を基に、適切な絞り値を毎回手計算で算出し、カメラに手動で設定する必要がありました。このプロセスは、カメラ初心者にとっては非常に複雑で、夜間撮影の失敗の大きな原因となっていました。また、プロのカメラマンにとっても、この計算は煩雑で時間のかかる作業でした。

フラッシュマチックの利点

フラッシュマチックが搭載されたカメラやレンズでは、これらの煩雑な操作を完全に自動化することが可能になりました。これにより、フラッシュ撮影における失敗を大幅に減らし、より手軽に、より確実にフラッシュ撮影を楽しめるようになりました。

フラッシュマチックの終焉

その後、エレクトロニックフラッシュに自動調光機能が標準的に装備されるようになると、フラッシュマチックの役割は徐々に薄れていきました。自動調光機能により、フラッシュ側で光量を調整することが可能になり、カメラ側での絞り調整の必要性が低下したためです。

フラッシュマチックの使用方法

フラッシュマチックを使用する方法は、カメラの機種によって異なります。手動でフラッシュマチックモードを選択する必要があるものや、アクセサリーシューにエレクトロニックフラッシュまたはフラッシュガンを取り付けると自動的にフラッシュマチックモードに切り替わるもの、カメラに内蔵されたフラッシュのスイッチを入れるとフラッシュマチックモードになるものなど、様々なタイプが存在します。

フラッシュマチックの注意点

フラッシュマチックは、基本的にカメラまたはレンズ単体の機能として動作し、特定のフラッシュに依存することなく使用できます。しかし、極端に光量の多い、または少ないフラッシュなど、対応可能なガイドナンバーの範囲を超えるフラッシュは使用できません。また、フラッシュマチックを使用する際に、自動調光機能が搭載されたフラッシュを使用する場合は、フラッシュ側の自動調光機能をオフにする必要があります。これは、フラッシュマチックが絞りを制御し、フラッシュが光量を制御するという二重の制御を避けるためです。

フラッシュマチックは、黎明期のフラッシュ撮影を大きく進歩させた画期的な機能でした。

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