フラット (鉄道)

フラットとは

フラットとは、鉄道車両の車輪における特定の摩耗現象を指します。この現象は、鉄道車両の車輪の踏面が平滑になってしまうことであり、タイヤフラットとも呼ばれることがあります。この現象は自動車の「フラットスポット」と類似していますが、ゴムタイヤの不具合による空気が抜ける「フラットタイヤ」とは異なります。

フラットの原因

フラットが発生する主な原因は、制動時に見られます。特に雨天や緊急ブレーキを行うと、ブレーキ力が車輪とレールの間の摩擦力（粘着力）を上回ることがあります。このため、車輪がレール上で滑走してしまい、車両が進行を続ける間に特定の部位がレールへ摩擦を続けることで、フラットが形成されるのです。

このような滑走現象は、雨や落ち葉などによる粘着力の低下が影響します。滑走中は、運動エネルギーが摩擦熱に変わるため、制動距離が非常に長くなることがあり、事故の危険性を高めます。

フラットの影響

フラットがあると、列車走行時の騒音や振動、さらには乗り心地が悪化します。具体的には、フラットによって発生する音は、列車が走行している際に "タンタンタンタン" や "タタタタタタタタ" という断続的な音として感じられます。これらの音は、フラットによる摩耗が原因であることを示しています。

フラットの解消

フラットが生じた際には、車輪の踏面を削正する必要があります。車輪の摩耗は、滑走だけでなく通常の走行によっても生じ、特にレールや制輪子との接触面が摩耗します。この摩耗を修正する作業を「車輪削正（しゃりんさくせい）」と呼びます。これは、円周の真円度を復帰させるために専用の車輪旋盤を使用して行います。

車輪旋盤は、車両をそのままの状態で作業できるものと、輪軸単位で作業するものがあります。作業は一定の周期で行われ、フラットが発生した場合は即座に対応されます。削ることで車輪の直径が小さくなるため、その際の調整も行われます。また、車輪が薄くなりすぎた場合は、運用中の車両であれば台車を持ち上げ、輪軸を新品や予備品に交換することがあります。この過程で、古い車輪を新しいものに取り替える作業も行われます。

フラット防止のための対策

フラットを防ぐための装置も数多く存在します。滑走防止装置は、その一つであり、各軸の回転速度を監視し、滑走が検知されるとブレーキを一時的に緩める仕組みです。これにより、再粘着を促し、滑走を防止します。

このほかにも、セラミック噴射装置や踏面清掃装置などが導入されており、滑走や摩耗を防ぐ工夫がされているのです。

まとめ

フラットは鉄道車両の安全運行にとって重大な課題です。これに対処するための多様な手法と装置が整備されており、それによって列車の安全性や快適性が保たれています。

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