フランキー・バネリ

フランキー・バネリ：ヘヴィメタルを支えたドラマーの生涯

フランキー・バネリ（Frankie Banali、1951年11月14日 - 2020年8月20日）は、アメリカの音楽シーン、特にヘヴィメタル界で名を馳せたドラマーです。彼は、クワイエット・ライオットでの活動で最もよく知られていますが、その音楽キャリアは多岐にわたり、様々なバンドやプロジェクトに参加しました。

生い立ちと音楽への目覚め

1951年、ニューヨークのクイーンズでイタリア移民の両親のもとに生まれたバネリは、幼少期からジョン・ボーナム、バディ・リッチ、サイモン・フィリップス、デニス・チェンバースといった著名なドラマーたちから影響を受け、ドラムの道を志しました。

1975年にロサンゼルスへ移住後、ステッペンウルフに加入。1979年には、ベーシストのダナ・ストラムと共に、当時のクワイエット・ライオットのギタリストだったランディ・ローズやオジー・オズボーンとリハーサルを行うなど、精力的な活動を展開しました。

クワイエット・ライオットでの成功

1980年、ランディ・ローズとルディ・サーゾがオジー・オズボーンのバンドに加入するためにクワイエット・ライオットが解散。ケヴィン・ダブロウが結成したダブロウにカルロス・カヴァーゾやチャック・ライトと共に参加。1982年3月19日にローズが飛行機事故で死去後、翌年3月にクワイエット・ライオットを再結成し、アルバム『メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜』を発表。このアルバムは、ヘヴィメタルバンドとして初めてビルボード200チャートで1位を獲得し、全世界で1,000万枚以上を売り上げるという、歴史的な成功を収めました。

しかし、1984年7月に『コンディション・クリティカル』がリリースされる頃には、メンバー間の緊張や、ダブロウの問題行動などにより、バンドは度重なるメンバーチェンジを余儀なくされました。

多岐にわたる音楽活動

クワイエット・ライオットの活動と並行して、バネリは他のアーティストとのコラボレーションも積極的に行いました。1988年には、W.A.S.P.の『ヘッドレス・チルドレン』のレコーディングにセッション参加し、その後W.A.S.P.に正式加入。また、ファスター・プッシーキャットのツアーに参加したり、ゲイリー・ホーイとヘビー・ボーンズというバンドを結成するなど、幅広い音楽性を見せました。

1993年にはクワイエット・ライオットに再加入し、バンドのマネージャーも兼任しました。その後も、バンドの解散と再結成を繰り返し、2006年にはアルバム『リハブ』をリリースするなど、精力的に活動を続けました。

2010年には、ドキュメンタリー映画『Quiet Riot - Well Now You're Here There's No Way Back』の制作資金を募るためのオンライン募金を行い、2014年に映画は完成。2017年には、ヘヴィメタルのドラマーとしての貢献が認められ、メタルの殿堂入りを果たしました。

晩年と死

2019年にステージⅣの膵臓がんと診断されたことを公表し、闘病生活を送りましたが、2020年8月20日に68歳で亡くなりました。彼の死後、ファン主導の嘆願により、MTVクラシックでクワイエット・ライオットのビデオを集めた追悼番組が放送されました。

私生活

バネリは、1994年にカレン・マリー・バネリと結婚し、娘のアシュリーをもうけましたが、2009年にカレンは心不全で亡くなりました。その後、2015年にレジーナ・ラッセル・バネリと再婚しました。

フランキー・バネリは、クワイエット・ライオットの成功を支えただけでなく、数多くのアーティストとの共演を通じて、ヘヴィメタル界に大きな影響を与えたドラマーでした。彼の音楽と情熱は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

ディスコグラフィー

ヴィック・ヴァーギート・バンド: Vic Vergeat Band (1982)
ヒューズ/スロール: Hughes/Thrall (1982)
ビリー・ソープ: East of Eden's Gate (1982)
クワイエット・ライオット: Metal Health (1983)〜Hollywood Cowboys (2019)
W.A.S.P: The Headless Children (1989)〜Re-Idolized (Soundtrack to the Crimson Idol) (2018)
ヘビー・ボーンズ: Heavy Bones (1992)
* その他、クーニ、アレックス・マーシ、ブラックソーン、ジュリエットなどのアルバムに参加

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