フランクフルト・ブックフェア

フランクフルト・ブックフェア

フランクフルト・ブックフェア（Frankfurter Buchmesse）は、毎年10月中旬にドイツのフランクフルトで開催される世界最大の書籍見本市です。

概要

世界中の出版社やマルチメディア関連企業が集まり、書籍やソフトウェアの展示、版権やライセンスの取引を行います。各国別のブースも設けられ、出版文化の紹介も行われます。主催はドイツ出版社・書籍販売店協会の子会社です。
近年、他の書籍見本市も存在感を増していますが、フランクフルト・ブックフェアは依然として世界最大級の規模を誇り、5日間の会期中に「メッセ・フランクフルト」に約7,000の出展者と約30万人の来場者を集めています。

重要性

フランクフルト・ブックフェアは、書籍の発売発表などを行うマーケティングの場として重要であると同時に、世界中の出版社が版権の販売交渉を行う機会としても重要です。出版業界の動向を知り、出版業者と交流し、取引を行うことができます。

参加者は、出版社、著作権エージェント、書店、図書館、研究機関、作家、イラストレーター、翻訳者、映画製作会社、出版協会、印刷業者、古書店、ソフトウェア企業など多岐にわたります。

2004年には、92カ国から12,000人のジャーナリストが取材に訪れ、6,691の出展者、79カ国のブース、18万人の業界関係者が参加しました。

開会式には、EUやドイツをはじめとする各国の政治家、文学者、芸術家が参加します。1988年からは毎年テーマ国が設定され（以前は不定期）、その国の文学者や出版社が参加するシンポジウムや文化紹介イベント、展覧会などが開催されます。過去のテーマ国としては、2004年のアラブ諸国、2005年の韓国、2006年のインドなどがあります。2007年はカタルーニャ、2008年はトルコ、2009年は中国がテーマ国でした。

会期中には、市内のパウルス教会でドイツ書籍協会平和賞が授与されます。この賞は、世界の優れた小説家、学者、著述家、芸術家の中から選ばれた人物に贈られ、ドイツ連邦大統領から授与されます。また、ドイツ児童文学賞やドイツ書籍賞の授賞式も開催されます。

ドイツ系児童文学ブースや日系出版社ブースでは漫画が展示され、漫画ファンも多く訪れます。また、会場では「ドイツ・コスプレ・マイスターシャフト」の決勝戦も開催されます。

歴史

フランクフルト・ブックフェアは500年以上の歴史を持つ見本市です。15世紀にヨハネス・グーテンベルクが活版印刷を発明した直後、フランクフルトで最初の本の市が開かれました。

17世紀末まではヨーロッパで最も重要な本の見本市でしたが、フランクフルトが反カトリック的な書籍に対する検閲機関を置いたため、出版業者は検閲の緩いライプツィヒへと移転しました。18世紀にはライプツィヒ書籍見本市がフランクフルト書籍見本市の地位を奪いました。

第二次世界大戦後、1949年にパウルス教会で戦後最初の書籍見本市が再開されました。その後、ライプツィヒが東ドイツ側になったこともあり、フランクフルトがヨーロッパ最大の書籍見本市としての地位を取り戻しました。

ドイツ書籍協会平和賞

ドイツ書籍協会平和賞（Friedenspreis des Deutschen Buchhandels）は、フランクフルト・ブックフェアの会期中に授与される権威ある賞です。

外部リンク

Frankfurt Book Fair official website

関連項目

* カイロ国際ブックフェア

もう一度検索