フランクリン国

フランクリン国について

フランクリン国（英: State of Franklin）は、アメリカ独立戦争後に数人の分離主義者たちによって作り出された、わずか4年の短命な国家です。その位置は、現在のアメリカ合衆国テネシー州の一部にあたります。フランクリン国はアメリカ合衆国の一部として正式に認められることはなく、結局は消滅してしまいました。

ノースカロライナ邦西部の状況

アメリカが独立を果たした後、独立13植民地をまとめる連合会議は、大きな財政問題に直面していました。そのため、1784年4月、ノースカロライナ邦はアレゲーニー山脈とミシシッピ川の間に広がる約2900万エーカーの土地を連合会議に寄付する決議を行います。しかし、これを受けて開拓者たちは懸念を抱きました。彼らは、連合会議がその土地を外国に売り渡すのではないかと恐れていたからです。そのため、ノースカロライナ州議会は数か月後にこの土地の贈与を撤回し、地域の管理権を再び握ることになりました。

分離主義者たちの活動

開拓者たちの間で独立の気運が高まる中、1784年8月にノースカロライナ邦からの独立を宣言する会議が開催され、フランクリン国を樹立する動きが始まりました。1785年には、彼らの新しい邦「フランクランド」として正式に連合会議に加入を申し込むものの、必要な3分の2の賛成を得ることができず、申請は却下されました。このため、指導者たちは国の名前をベンジャミン・フランクリンの名を借りて「フランクリン」に変更したものの、フランクリン自身はその助けを拒否しました。

フランクリン国の政府は、住民の選挙を通じて成立し、地域の権力を固めるためにいくつかの法律を整備しました。しかし、経済的な基盤が不十分であり、混乱や不安定さが続きました。物々交換が主たる経済手段として機能したものの、2年間の納税猶予の後、税収が安定せず政府は崩壊へと向かいます。

内部対立

1786年にはフランクリン国とノースカロライナ邦との間で軍事衝突が発生し、住民たちも支持する勢力を巡って分かれる事態となりました。この混乱の中、フランクリン国政府は経済的窮地を脱するため、スペイン政府に援助を求める動きも見せましたが、最終的にはノースカロライナ州からの圧力を受けて従う形になります。そして、1790年には完全に崩壊し、国の管理権は再びノースカロライナ邦に戻されました。

テネシー州へ

ノースカロライナ邦は、フランクリン国の領土を合衆国に譲渡し、その後テネシー州として再編されることになります。ジョン・セビアはテネシー州の初代知事として選ばれ、フランクリン国の短い歴史を象徴する存在となりました。

雑学

フランクリン議会の最後の会期で国旗の制定が提案されましたが、実現には至りませんでした。また、フランクリン国にちなんだ名前を持つ銀行や道路は、現在のジョンソン市にも存在研ており、かつての繁栄を偲ばせます。フランクリン国の歴史は短いながらも、独立の精神や新たな国作りへの挑戦が色濃く残っているのです。

王政から解放された後のアメリカでは、多くの人々がこのような地域的な自立へと向かい、時には失敗を繰り返しながらも新たな国家の形成へと歩みを進めました。フランクリン国の歴史はその一端を示す貴重な事例であり、今なお人々の関心を引いています。

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