フランク・レッサー

フランク・ヘンリー・レッサー

フランク・ヘンリー・レッサー（Frank Henry Loesser）は、1910年6月29日にニューヨークで生まれたアメリカのソングライターです。彼は、特にブロードウェイのミュージカルで知られ、『ガイズ&ドールズ』や『ハウ・トゥー・サクシード』といった名作での作詞作曲に携わり、トニー賞やピューリッツァー賞を受賞しています。彼の楽曲はミュージカルや映画音楽のスタンダードとなっており、アカデミー賞最優秀主題歌賞にも多数ノミネートされ、1950年に『外は寒いよ』で受賞の栄冠を手にしました。

幼少期と初期の教育

フランクの父ヘンリーはピアニストで、彼は音楽に囲まれた環境で育ちました。父親はプロイセンからの移民で、ニューヨークで家庭を持ちました。家族は音楽に対する高い教養を持っており、フランクも幼少期からピアノを習い始めますが、上流階級の音楽に対しては苦手意識を抱き、独自の音楽スタイルを追求していきました。然而、彼は高校を中退し、ニューヨーク市立大学に進みますが、その課程を続けられず、1926年に父を亡くし、家族を支えるために働き始めました。

音楽との出会い

数々の職を経験した後、フランクはティンパンアレーでの作曲に挑戦します。1931年に最初の作品がクレジットされ、1934年にはいくつかのヒットソングを生み出すも、その名が広まるには至りませんでした。ハーレムのナイトクラブでのパフォーマンスや音楽出版社との契約を通じて、徐々に評価を得ていきました。特に1936年に共作したミュージカル『The Illustrator’s Show』は初めは失敗しましたが、その後の彼のキャリアには多くの影響を与えます。

映画音楽とヒット曲

彼はハリウッドにも進出し、多くの楽曲を映画に提供しました。1937年の『ハリケーン』での楽曲が評価され、以降も『水着の女王』や『ポーリンの冒険』などの映画で数々の名曲を生み出します。彼の作品には、『Heart and Soul』や『I Don’t Want to Walk Without You』などがあり、これらの楽曲は後に多くのアーティストにカバーされるほどの人気を誇ります。

戦時中の活動

第二次世界大戦中も、音楽の仕事を続け、人気の軍歌『Praise the Lord and Pass the Ammunition』などを手掛けました。また、戦争中の不安定な状況にもかかわらず、彼は数多くの楽曲を提供し、作曲家としての才覚を発揮しました。

私生活と後年

レッサーは二度結婚しました。最初の妻リン・ガーランドとの間には二人の子供が生まれ、後に離婚。その後再婚したジョー・サリバンとの間には二人の子供が生まれました。音楽活動が続く一方で、私生活の起伏もありました。

彼は1969年にニューヨークで肺がんにより亡くなりましたが、その作品は現在も多くの人に愛され続けています。彼の人生を描いたドキュメンタリーも制作され、近年ではさらに評価が高まっています。

最後に

フランク・レッサーは、700曲以上の作品を手掛け、アメリカ音楽史における特異な位置を占めた作曲家です。彼の楽曲は今なお人々の心に響き、多くのアーティストによって歌い継がれています。

もう一度検索