フランケンシュタイナー

フランケンシュタイナー (Frankensteiner)

フランケンシュタイナーは、プロレスにおける特異な技の一つであり、スコット・スタイナーによって考案されました。この技は、相手と正面から対峙した状態で行われ、驚くほどの衝撃力をもって相手をマットに叩きつけることが特徴です。

技の特徴と実行方法

フランケンシュタイナーは、一見するとドロップキックのように見える動きから始まります。選手は跳び上がり、両足を使って相手の頭を挟みます。この際、オリジナルの技では太腿付近で挟むことが多いです。その後、自らの臀部を支点として回転し、相手をマットに叩きつけます。これには相手の推進力が利用され、相手の脳天を直接マットにぶつけるというテコの原理が働きます。フランケンシュタイナーの特徴は、回転した後に足を抱えるウラカン・ラナとは異なり、体重を利用して一気に相手を落とす点にあります。

スコット・スタイナーは1992年に日本でこの技を初公開し、その後自身のフィニッシュ技として多く使用しましたが、腰を痛めてからはあまり使われなくなりました。そのため、日本ではウラカン・ラナと混同されがちですが、スタイナーのオリジナルのフランケンシュタイナーの形を忠実に再現することは困難です。

日本における使用と変化

フランケンシュタイナーは日本でも多くのレスラーに用いられ、特に武藤敬司がその一例です。しかし、武藤は相手の頭を自らの膝近くで挟み、さらに自らの筋力を用いて振り子のように相手を丸め込むため、オリジナルとは異なる動きになります。このように、日本におけるフランケンシュタイナーの解釈は技術の進化とともに変わっていきました。現在では、クイック技としても広く利用されています。

派生技

フランケンシュタイナーから派生した技も多く存在し、それぞれに独自の特徴があります。

雪崩式フランケンシュタイナー

獣神サンダー・ライガーが開発したこの技は、コーナーの最上段に相手を座らせ、ウラカン・ラナ・インベルティダの動作を用いて、相手の頭部を下方向へ叩きつけるものです。この技は落差と重力を利用しているため、非常に強力ですが自爆の危険性も孕んでいます。

リバース・フランケンシュタイナー

こちらは相手の肩に乗るように飛びつき、首を挟み込む技です。回転して後頭部をマットに叩きつけることでノックアウトを狙います。

雪崩式リバース・フランケンシュタイナー

金本浩二によって考案された技で、リングに背を向けさせた相手に仕掛けるものです。この技は非常に危険であり、受け身が取りにくい特徴があります。

フランケンシュタイナー式腕挫十字固め

藤田和之のオリジナル技で、フランケンシュタイナーを終了させた後、そのまま腕挫十字固めへと素早く移行する流れるような動作が特徴です。

ロープハング式フランケンシュタイナー

相手をエプロンからセカンドロープに掛けた状態から攻撃をしかける技で、後方回転することで脳天からマットに叩きつけます。

結論

フランケンシュタイナーは、単なるプロレス技以上のものです。それは創造性と大胆さを兼ね備え、観客を魅了する力を持っています。プロレスの技の多様性を象徴する代表的な技の一つとして、今後も多くのレスラーによって受け継がれることでしょう。

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