腕挫十字固

腕挫十字固（うでひしぎじゅうじがため）

腕挫十字固は、格闘技において広く認知される関節技であり、特に柔道や柔術などで多く使用されます。この技は、相手の肘を逆に伸ばすことで極めるもので、古流柔術にそのルーツを持つとされています。正式には「U.H. juji-gatame」とも呼ばれ、国際柔道連盟（IJF）では「十字固」とも表記されています。この技は、アームロックやアームバーの一種でもあり、プロレスや総合格闘技においても多く見られます。アメリカなどの英語圏では、主に「アームバー」と呼ばれることが一般的です。

技の構造と基本動作

腕挫十字固は、技をかける側が相手の上腕を自らの両脚で挟み、手首を自分の体に引き寄せる形で構築されます。この際、相手の親指を天井に向けることが重要です。この姿勢から、骨盤を支点にして相手の腕を反らすことで、肘が極まります。受け手が肘を曲げロックを外そうとする場合でも、かけ手の筋力が優位に働くため、容易には外すことができません。特に脚を使って相手の頭を締めると、極まる効果が増します。

技を行使する際は、注意が必要です。過度な力を加えると肘や肩を損傷する危険性があり、特に肘は過伸展によって脱臼が起こる可能性は低いものの、体重のかかり方によって肩を脱臼することがあります。しかし、基本的にこの技は手加減がしやすいため、安全性が比較的高いとされています。

応用技と変則技

腕挫十字固には多くの変則技があり、熟練者同士の勝負でも極まることがあるほど深いテクニックです。裏十字固（うらじゅうじがため）は、うつ伏せで施すアプローチで、受け手の逃げ道をを減少させます。また、上腕挫十字固（かみうでひしぎじゅうじがため）や横四方入りなど、異なる体勢から展開できるバリエーションも存在します。

特に、総合格闘技やブラジリアン柔術においては、最も一般的な技の一つであり、さまざまなシチュエーションで応用されます。

さまざまな名前や分類

国際柔道連盟では「十字固」がメインの名称とされていますが、日本国内では「腕挫十字固」「腕ひしぎ逆十字固め」など多くの別名も存在します。特にプロレスにおける呼称としては、「腕ひしぎ逆十字固め」が有名であり、古舘伊知郎による実況中継を通じて広まりました。

結論

総じて、腕挫十字固は格闘技全般において非常に価値のある技術であり、さまざまなスタイルや流派における重要な要素となっています。その実用性と応用範囲の広さから、技術向上のためにも積極的に学ぶべき技術と言えるでしょう。

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