フランシス・エジャートン (第3代ブリッジウォーター公爵)

第3代ブリッジウォーター公爵フランシス・エジャートン

フランシス・エジャートン（Francis Egerton, 1736年5月21日 - 1803年3月8日）は、18世紀のイギリス貴族であり、第3代ブリッジウォーター公爵として知られています。彼は、イギリスにおける運河建設の先駆者であり、特にブリッジウォーター運河の建設者として名を残しました。

生涯

1736年5月21日、フランシス・エジャートンは、初代ブリッジウォーター公爵スクロープ・エジャートンと、その妻レイチェル（第2代ベッドフォード公爵ライオセスリー・ラッセルの娘）の六男として、ウォーズリーで誕生しました。彼の兄であるジョン・エジャートンが第2代ブリッジウォーター公爵位を継承しましたが、1748年2月に死去したため、フランシスが爵位を継ぐことになりました。

公爵はウォーズリーに炭鉱を所有しており、そこから産出される石炭を効率的にマンチェスターまで輸送する方法を模索していました。そこで、彼は1761年から技師ジェイムズ・ブリンドリーの指揮のもと、ブリッジウォーター運河の建設を開始しました。この運河は、イギリスで最初の主要な運河であり、その成功はイギリス各地での運河建設を促進し、「運河狂時代（canal mania）」と呼ばれる時代を到来させました。この貢献から、彼は「英国内陸航行の父(father of British inland navigation)」と呼ばれるようになりました。

1803年3月8日、フランシス・エジャートンはロンドンのセント・ジェームズ地区にあるクリーブランド・ロウで死去しました。彼は生涯結婚せず、子供がいなかったため、彼の死とともにブリッジウォーター公爵位とブラックリー侯爵位は継承者を欠き廃絶しました。しかし、ブリッジウォーター伯爵位をはじめとする3つのイングランド貴族爵位は、従兄弟にあたるジョン・エジャートンに継承されました。

爵位

フランシス・エジャートンは、1748年2月26日に兄ジョン・エジャートンの死去により、以下の爵位を継承しました。

サマセット州における第3代ブリッジウォーター公爵 (3rd Duke of Bridgewater, in the County of Somerset)（1720年創設）
ノーサンプトン州における第3代ブラックリー侯爵 (3rd Marquess of Brackley, in the County of Northampton)（1720年創設）
第6代ブリッジウォーター伯爵 (6th Earl of Bridgwater)（1617年創設）
ノーサンプトン州におけるブラックリーの第7代ブラックリー子爵 (7th Viscount Brackley, of Brackley in the County of Northampton)（1616年創設）
シュルーズベリー州におけるエルズミアの第7代エルズミア男爵 (7th Baron Ellesmere, of Ellesmere in the County of Shrewsbury)（1603年創設）

彼の死後、ブリッジウォーター公爵位とブラックリー侯爵位は廃絶しましたが、それ以外の爵位は従兄弟のジョン・エジャートンが継承しました。

家族

フランシス・エジャートンは結婚しておらず、子供はいませんでした。しかし、1759年頃には、陸軍軍人ジョン・ギャニング大佐の娘エリザベス・ギャニング（後のハメルドンの初代ハミルトン女男爵）と関係を持っていたと伝えられています。

参考文献

松村赳、富田虎男『英米史辞典』研究社、2000年。ISBN 978-4767430478。

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