ブリッジウォーター伯爵

ブリッジウォーター伯爵：イングランド貴族の爵位の歴史

ブリッジウォーター伯爵は、かつて存在したイングランド貴族の爵位であり、その歴史は2つの期間に分けられます。1期目はドーベニー家、2期目はエジャートン家が保有しました。

第1期：ドーベニー家

最初のブリッジウォーター伯爵位は、1538年にヘンリー・ドーベニーに授与されました。彼は元々ドーベニー男爵でしたが、子供がいなかったため、彼の死後、伯爵位は一代で途絶えました。

初代ドーベニー男爵：ジャイルズ・ドーベニー
2代ドーベニー男爵・初代ブリッジウォーター伯：ヘンリー・ドーベニー（1494年 - 1548年）

第2期：エジャートン家

2期目のブリッジウォーター伯爵位は、1617年にジョン・エジャートンに授与されたことに始まります。エジャートン家は、その後8代にわたってこの爵位を保持しました。

初代エルズミア男爵：トマス・エジャートン（1540年 - 1617年） - 1616年にブラックリー子爵に叙される
初代ブラックリー子爵：トマス・エジャートン
2代ブラックリー子爵・初代ブリッジウォーター伯：ジョン・エジャートン（1579年 - 1649年）
2代ブリッジウォーター伯：ジョン・エジャートン（1623年 - 1686年）
3代ブリッジウォーター伯：ジョン・エジャートン（1646年 - 1701年）
4代ブリッジウォーター伯：スクロープ・エジャートン（1681年 - 1745年） - 1720年にブリッジウォーター公爵に叙される

ブリッジウォーター公爵位

4代ブリッジウォーター伯爵スクロープ・エジャートンは、1720年にブリッジウォーター公爵にも叙されました。これにより、ブリッジウォーター伯爵位は公爵位の従属爵位となりました。

初代ブリッジウォーター公・4代ブリッジウォーター伯：スクロープ・エジャートン
2代ブリッジウォーター公・5代ブリッジウォーター伯：ジョン・エジャートン（1727年 - 1748年）
3代ブリッジウォーター公・6代ブリッジウォーター伯：フランシス・エジャートン（1736年 - 1803年）

3代ブリッジウォーター公フランシス・エジャートンは、ブリッジウォーター運河の建設で知られています。彼はワースリーの炭鉱とマンチェスターを結ぶ運河を建設し、産業革命の発展に貢献しました。しかし、彼には子供がいなかったため、彼の死とともにブリッジウォーター公爵位とブラックリー侯爵位は廃絶しました。

ブリッジウォーター伯爵位の終焉

ブリッジウォーター伯爵位は、3代ブリッジウォーター公の従兄弟であるジョン・ウィリアム・エジャートンに引き継がれましたが、彼にも子供がいなかったため、弟のフランシス・ヘンリー・エジャートンが8代伯爵位を継承しました。しかし、8代伯爵にも子供がなく、彼の死をもって継承資格者が絶え、ブリッジウォーター伯爵位（第2期）は完全に廃絶しました。

7代ブリッジウォーター伯：ジョン・ウィリアム・エジャートン（1753年 - 1823年）
8代ブリッジウォーター伯：フランシス・ヘンリー・エジャートン（1756年 - 1829年）

ブリッジウォーター伯爵は、その歴史の中で、ドーベニー家とエジャートン家という2つの家系によって受け継がれましたが、最終的には後継者不足により、その爵位は消滅しました。

参考文献

松村赳、富田虎男『英米史辞典』研究社、2000年。ISBN 978-4767430478

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