フランシス・オズボーン (第5代リーズ公爵)

第5代リーズ公爵フランシス・ゴドルフィン・オズボーン（1751年1月29日 - 1799年1月31日）は、イギリスの政治家、貴族。
小ピット内閣で外務大臣（1783年 - 1791年）を務めたことで知られています。1789年に爵位を継承するまでは、カーマーゼン侯爵の儀礼称号で呼ばれていました。

経歴

1751年、第4代リーズ公爵トマス・オズボーンとメアリー（第2代ゴドルフィン伯爵フランシス・ゴドルフィンの娘）の息子としてロンドンで生まれました。ウェストミンスター・スクールを経て、オックスフォード大学クライスト・チャーチに進学。

1774年にアイ選挙区、1774年から1775年にかけてヘルストン選挙区から選出され、庶民院議員となります。1776年5月15日には、繰上貴族院招集令状により、父の爵位を継承する資格で貴族院議員となりました。

1776年から1777年にかけて寝室侍従長を務め、1777年に枢密顧問官に列せられるとともに、シャーロット王妃の王妃宮内長官となり、1780年まで務めました。また、1778年から1780年と1782年から1799年にかけてヨークシャーの東リディング知事を務めています。

1783年から1791年まで小ピット内閣で外務大臣を務め、オランダ情勢や対露政策に尽力しました。当時、オランダはアメリカ独立戦争の影響で親英的なウィレム5世派と親仏的な愛国派に分裂しており、イギリスは第四次英蘭戦争で愛国派を一時的に打倒したものの、再び愛国派が台頭していました。フランスは東インドでの優位を目指し、愛国派を支援することでオランダへの影響力拡大を図っていました。

カーマーゼン侯は、外交官ジェイムズ・ハリスをオランダ全権公使に任命し、総督派を支援して愛国派の封じ込めを図りました。最終的にプロイセン軍が出動して愛国派を鎮圧したため、1788年4月にはオランダ・プロイセンと同盟を結ぶことに成功しました。

1787年に勃発した露土戦争では、当初不干渉の立場を取りましたが、1790年末から1791年初頭にかけて、ロシアがインドへの道を圧迫することを恐れ、干渉政策に転換しました。ロシアが現状維持に応じない場合は対露開戦も辞さないという強硬な姿勢を示しました。ピットも同様の考えであったため、ロシアへの最後通牒を起草し、1791年3月の閣議に提出しました。

しかし、議会ではフォックス議員らが対露軍事費増額予算案に激しく反発し、対露開戦反対の機運が高まりました。これを受けてピットは対露開戦を断念し、ロシアへの最後通牒を取り下げました。リーズ公は最後通牒の取り消しに反対したため、1791年4月11日に外相を辞任しました。

1799年1月31日に死去。爵位は長男ジョージ・オズボーンが継承しました。

栄典

1776年5月15日：繰上勅書により、以下の爵位で貴族院に出席
第5代オズボーン男爵
1789年3月23日：父の死により以下の爵位を継承
第5代リーズ公爵
第5代カーマーゼン侯爵
第5代ダンビー伯爵
第5代ラティマー子爵
第5代オズボーン子爵 (ダンブレーン)
第6代オズボーン準男爵
1790年、ガーター騎士団ナイト(KG)を受勲

家族

1773年に第4代ホルダーネス伯爵ロバート・ダーシーの娘アメリアと結婚し、3子を儲けました。

長男：ジョージ・ウィリアム・フレデリック・オズボーン (第6代リーズ公爵)
長女：メアリー・ヘンリエッタ・ジュリアナ・オズボーン (第2代チチェスター伯爵トマス・ペラムと結婚)
次男：フランシス・ゴドルフィン・オズボーン (初代ゴドルフィン男爵)

1779年にアメリアと離婚し、1788年にキャサリン・アンギッシュと再婚。2子を儲けました。

三男：シドニー・ゴドルフィン・オズボーン
* 次女：キャサリン・アン・サラ・オズボーン (ジョージ・ホワイト＝メルヴィルと結婚)

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